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古今和歌集巻第十三残巻(巻子本) 2009年3月16日更新
【和:こきんわかしゅう】 |
【中:Gu jin he ge ji】 |
彫刻・書画|>古今和歌集巻第十三残巻(巻子本) |
一巻
彩箋墨書
縦二二・五 全長二九四・二
平安時代・十二世紀
文化庁
世に「巻子本古今和歌集」と称されている平安時代後期の写本の一部である。もとは「仮名序」を添えた『古今和歌集』全二十一巻を書写した制度手本であったと考えられる。料紙には、白・薄黄・縹・薄紅など彩色ゆたかな具引地に、蓮唐草・花襷・孔雀に宝相華唐草・亀甲・楼閣人物・鶴に杏美などの雲母刷りあるいは蠟箋の型文様のある美麗な舶載の唐紙が使用されている。本文は、 一紙六乃至十五行、和歌は一首三行前後に、やや側筆をまじえながら、連綿の優美な筆致で一筆にて書写している。
筆跡については、平安時代末期の歌人源俊頼(一〇五五―一一二九)を伝称筆者とするが、近年は藤原行成(九七二―一〇二七)の曾孫定実(?―一〇七七―一一一九―?)を筆者にあてる前が有力である。同筆の遺品として「古今和歌集(元永本)」「筋切本古今和歌集」(東京国立博物館ほか)、「本願寺本二十六人家集」(貫之集上・人麿集 京都・西本殿願寺)などがある。
現在、「巻子本古今和歌集」は、仮名序一巻(東京・大倉集古館)が首尾を完存している。これに対し、和歌の本文は、本巻を除くと巻第九の断簡一幅(個人蔵)をはじめとする断簡が諸家に分蔵されているにすぎない。
本巻は、ところどころに脱落もみられるが、保存状態は良好で、巻第十三のほぼ半分に相当する計三十二首の和歌を収めている。『古今和歌集』の平安時代書写本の中でも最も秀麗な「巻子本古今和歌集」のまとまった和歌の本文を伝えるものであり、国文学、書道史上きわめて価値が高い。 出所:書の至宝-日本と中国2006
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