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仏舎利奉納願文 2009年3月17日更新
【和:ぶっしゃりほうのうがんもん】 |
【中:Fu she li feng na yuan wen】 |
彫刻・書画|>仏舎利奉納願文 |
九条兼実筆
一巻
彩箋墨書
縦二七・八 全長二〇八・八
平安時代・寿永二年(一一八三)
東京・前田育徳会
平重衡による焼討ち後、南部復興事業の中心的役割を果たした九条兼実(一一四九―一二〇七)が、焼け落ちた東大寺の大仏を再建しその胎内に自ら所持する仏舎利一粒を水晶の小塔とともに納めて供養したときの願文。巻末に、近衛政家(一四四四―一五〇五)および烏丸光広(一五七九―一六三八)の奥書を有する。
その書は、世尊寺流書法と法性寺流書法の各要素を融合し洗練の上、適宜筆端から抽出したというべきもので、きわめて高い技量を示し、兼実が確固とした書法を掌中にしていることを示すものとみられる。その見どころとして、用筆面では、筆の穂先をていねいかつ大胆に用いた筆致を駆使している点、また、文字造形面では、 一字のうちで強調したある筆画をべつの点画に重ねるなどして粗密を生みだしつつ、そのバランス感覚が文字ごとに多様であることなどが特筆される。こうした自らの感性に忠実に執筆している様子から、この歴史的な願文の執筆にかける自負のほどがうかがわれよう。平安の優美さと内面的な強さを兼ねたこの作品は、平安朝の書における最後の輝きを宿すかにみえる。出所:書の至宝-日本と中国2006
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