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泉涌寺勧縁疏 2009年3月17日更新

泉涌寺勧縁疏
【和:せんにゅうじかんえんそ
【中:Quan yong si quan yuan shu
彫刻・書画|>泉涌寺勧縁疏

俊芿
一巻
彩箋墨書
縦四〇・六 全長二九六・〇
鎌倉時代・承久元年(一二一九)
京都・泉涌寺
俊芿(一一六六―一二二七)は三論・成実・法相・倶舎・華厳・律・天台・真言の八宗兼学の学僧として著名で、十年におよぶ入宋で、律宗・天台宗などの研鑽につとめた。建保六年(一二一八)に、彼に帰依する宇都宮信房入道道賢から洛東の荒廃した仙遊寺の故址の寄進を受けた。俊芿は、清泉が湧き出た祥瑞に因んで泉涌寺と改名し、長く荒廃していた寺の再興を企てた。
『泉洞寺勧縁疏』は、承久元年(一二一九)十月、寺院再興の造営費用として人々の喜捨を募るための趣意書として、揮毫したものである。白や薄紅などの色変わりの紙に、鴛鴦や鳳凰にのる天女などの文様を摺り出した美しい舶載の蠟箋五紙を継いだ料紙を用いる。巻頭に「東山泉涌寺」と大書し、続いて泉涌寺草創の経緯、ならびに伽藍の規模を記し、勧縁疏の本文を書き進める。筆力の充実したのびやかで巧みな行書である。入宋中に手中にした黄庭堅(一〇四五―一一〇五)の書を基盤としながら、自らが作りあげた格調の高い書である。俊芿五十四歳の筆跡である。
その見事な書に感服した後鳥羽院から准絹一万疋を賜るなど、多数の人々から喜捨が寄せられた。この発願の趣旨はもちろんのことながら、その文章と新しい彼の雄渾な書が宮廷において驚きをもって迎えられたのである。書道史の遺品としても貴重である。 出所:書の至宝-日本と中国2006
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