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リヨンのミューゼ・デ・ボーザールと現代美術館(フランス) 2009年7月18日更新
【和:リヨンのミューゼ・デ・ボーザールとげんだいびじゅつかん】 |
【中:Musee des Beaux-Arts et Musee d'Art Contemporain】 |
研究機関|>リヨンのミューゼ・デ・ボーザールと現代美術館(フランス) |
パリからTGVに乗ると二時間でリヨンに着く。街の中心のサン・ピェールの館に美術館が二つある。ミューゼ・デ・ボーザールと現代美術館である。ミューゼ・デ・ボーザールをまず訪れてみる.殺風景な人口で受付があるだけである。パンフレットも何もない。 一階では企画展を開いており、ビカソのオペラ用の衣装のデッサンを展示していた。ピカソの若き日の作品でオルガとの恋の時代である。すべてに才能のあったピカソだけになかなか面白い展覧会であった。
三階にあがると、十九世紀のリヨンの画家の作品がある。写実的な作品であるが、ルイス・ジャンモはたくさんあり、物語風でロマンチックで美しい。フランドランの「ピエタ」もよかった。 エジプトの発掘品のコレクションも多く、楽しめる。ラムサス六世の赤い大理石の彫像がよかった。
三階にあがる階段の途中には、タピエスなどの大作が掛けてあった。初めの部屋には、レジェ、ピカソ、ニコラ・ド・スタール、 マッソン、フォートリェ、デュビュッフェ、ジャック・ヴィヨンなどが並んでいた。中でもマッソンの大作が素晴らしかった。
次の部屋には、エコール・ド・パリが多く、ユトリロ、パスキン、ルバスク、デュフィ、フジタ、ドラン、ブラマンクやボナールの作品がある。フジタ「画家の肖像」やボナールの「室内」がよかった。さらにゴンチャロヴァ、ラリオノフ、ドローネー、マチス、マルケ、ルオーにヤウレンスキーの「メドゥーサ」やシャガールの「にわとり」などの名品がある。
カリエール、アマン=ジャン、セリュジェ、ドニといった、日本人になじみの深い画家たちの部屋もある。その次の部屋にゴーギャンのタヒチ時代の名品「ナヴェ・ナヴェ・マハナ」(一八九六)がある。素晴らしい作品である。ルノワール「ギターを弾く女」もいい。モネも何点かあるが、「テームズ川」(一九〇三)は色のハーモニーが美しい。マネも三点あり、セザンヌの小品「水浴」もいい。その他、シスレー、ピサロ、ファンタン=ラトゥールもある。
次の部屋には、ファンタン=ラトゥールが何点もあり、特に「読書」が印象に残る。モローの作品もあった。ドーミエのカリカチュアの小さな彫刻も面白く、三六点がガラスケースに入っていた。ドラクロアもいくつもあり、大作「マルグ・オーレルの死」がよかった。アングル「牛の習作」が面白く、「オダリスク」もすてきである。入口の素っ気なさとは対照的で、内容は充実している美術館である。リヨンにはこれらの美術館のほかにも、古代の発掘品の美術館や、生地の美術館などいろいろあり、見るべきものも多い。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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