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マリノ・マリーニ美術館(イタリア) 2009年7月21日更新
【和:マリノ・マリーニびじゅつかん】 |
【英:Museo Marino Marini】 |
研究機関|>マリノ・マリーニ美術館(イタリア) |
一九八八年の秋、フィレンツェにマリノ・マリーニの美術館が開館した。マリノ・マリーニは一九〇一年、ピストイアに生まれ、一九八〇年ヴィアレッジョに没している。イタリアが生んだ二十世紀彫刻界の巨匠である。フィレンツェの美術アカデミーに学び、その後ミラノに移る。エトルスクやアルカイックに影響され、トスカーナ美術を勉強し、また一九三〇年代に旅行したドイツでドイツ・ゴシックにも関心をもった。初めての個展は一九三一年、三十ー歳のときである。これは彫刻国にとっては早いデビューといえよう。三五年にはローマ・クァドリエンナーレで彫刻大賞を受けている。馬と人物を主なるテーマとしているが、そのシンプルで力強い彫刻はニ十世紀の彫刻界をりードしてきた。
ストロッツィ宮殿とサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の間にマリノ・マリーニ美術館はある。古い教会サン・パンクラツィオの内部を改装して美術館にしたものである。
彫刻は前からだけでなくうしろから、そして上部からも見たい。その希望をかなえるように改築されており、広い中央の吹き抜けの横にバルコニーがあったりと楽しい空間が演出されている。外観の古さとは異なり、内部は明るくシンプルでマリーニの彫刻に似合っている。
人口を入るとすぐ展示場で正面にマリー二の大きな馬がのびのびと、吹き抜けの空間でいなないている。人物にも馬にも温かいマリーニの人間性を感じる。一七九点の彫刻、絵画、デッサン、版画がこの美術館にはある。ルネッサンスの都フィレンツェに、二十世紀とのかけ橋のような美術館が誕生した。マリフニ・ファンでなくても、充分に楽しめる。ルネッサンスとの違和感がないことに、改めてマリーニ芸術の偉大さを感じるのだった。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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