考古用語辞典 A-Words

時代別順

旧石器時代
新石器時代
神話時代
殷・周時代
春秋戦国
秦・漢・三国
晋・南北朝
隋・唐・五代
宋・遼・金・元
明・清

分野別順

基本用語
青銅器
陶磁器
金銀・玉器
石器・ガラス
彫刻・書画
絹・衣類
建造物・遺跡・墓
歴史名城
歴史人物
研究機関
研究者
面白テーマ

ミラノ近代美術館(イタリア) 2009年7月22日更新

ミラノ近代美術館(イタリア)

【和:ミラノきんだいびじゅつかん
【英:Galleria d'Arte Moderna
研究機関|>ミラノ近代美術館(イタリア)

ミラノのプリチ公園の前の黄色い建物が一七九〇年に建てられたヴィラ・リアルであり、ここがミラノ近代美術館である。  門を入ると前庭がありその右側の入口から階段を二階へのぼる。さらに右へ行くと三階へのぼる階段に続く。
この三階にグラッシィ・コレクションかおる。大理石の階段で途中に東洋の仏像がガラスケースに入って壁にはめ込まれているのが面白い。三階は小部屋が多く昔の建物のままで作品を見せている。窓から風が入り、木の床が簡素な展示場となっている。
 コロー「風」、ミレー「戦場からの帰還」から始まる。次の部屋にビミニック・モレリの男の肖像かおり、逸品である。キュセッペ・ドーニィティも同点かあり、ちょっとマネに似た作風の女性の肖像画があった。ブーダン「トルービルの洗濯女」、ヨンキントの小品、シスレーの風景、ゴーギヤンのブルターニュ風景がある。ルノワールもあったが小品で色が完全に変色してしまっているのが残念だった、セザンヌは初回の作品、ゴッホはポンタヴェンのころのもの、ボナール、ヴュイヤール共に室内を描いた作品である。マネの「馬に乗ったセニョール・アルノー」の大作があたりを圧している。
 廊下のような細長い部屋にロートレックの版画の「ディヴァン・ジャポネ」や「ミスター・ブラウン」など、有名な作品が十数点あり、またコローのエッチングもあった。裏側の部屋にも窓からの光の中に映えるセガンティーニやボッティチェルリがあり、数多くのジャコモ・バルラがあった。ジャコモ・バルラは未来派(フーチュリスム)として描かれたものがやはり一番新鮮で迫力がある。
 マルケ「パリ、セーヌ河」、ユトリロ「モン・セ二通り」は共に作家の代表的な主題の作品である。モランディもたくさんあった,最後に印象に残ったのはキリコの「自画像」である。
 二階には二十世紀イタリアを代表する彫刻家マリノ・マリーニのコレクションがある。六つの部屋があり、ここはマリーニのために改築したらしく、グレーの絨毯、グレーの壁でモダンな雰囲気をつくっている。ガラスケースにはたくさんの小品の彫刻が飾られ、肖像彫刻も多く、壁には絵も掛けてある。シャガール、ヘンリー・ムア、ネルソン・ロックフェラー、ヘンリー・ミラー、ストラビンスキー、カルロ・カラなど有名な人々がモデルになっている。
 一階の左にはギュセッペ・ビスマラ・コレクションがある。ここは独立していて庭からも入れるようになっている。モランディは数多くあり、どれも代表的な時代の作品である。ピカソー九五七年作やデュフィの一九〇七年の「アトリエ」はとてもよい。その他、ピカソのデッサン、マチスの小品、ヴュイヤールなどもあった。ここも展示室は六部屋である。
 この美術館は、一つの建物に三つのコレクションが入っている。庭が広くて爽快な気分になる。イタリアはルネッサンスの作品は充実しているが、フランス近代美術が少ない。その意味でこの美術館は貴重である。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
関連用語:

Copyright 2006 abc0120 All rights reserved.