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旧国立美術館(旧東ベルリン) 2009年7月23日更新
【和:きゅうこくりつびじゅつかん】 |
【英:Ate Nationalgalerie zu Berlin】 |
研究機関|>旧国立美術館(旧東ベルリン) |
ウンター・デン・リンデン人通りを行き、国立オペラ座、ザンクトヘドウィヒ大聖堂、フンボルト大学などが立ち並ぶ市街を歩く。つまり、旧来ベルリン時代に「博物館の島」と呼ばれたシュプレー川の中洲のような島に、旧国立美術館、ペルガモン美術館、ボーデ美術館などが立ち並んでいる、美術の島である。
まず旧国立美術館を見ることにする。入口の左に旧アカデミーの建物がある。美術館は古い宮殿風の造りで、大理石の階段は重厚である。この旧国立美術館は、ドイツの画家の作品が主だが、十九-二十世紀のヨーロッバ美術の巨匠の作品も多く所蔵している。
ファンタン=ラトゥールの婦人像と自画像、クールベの風景画、ドガ「談話」(一八八四)、デュフィ「港」(一九○八)、セザンヌ「静物」(一八七〇-七二)、「ポントワーズ風景」(一八八一)、「花と果物」(一八八〇-九〇)、セザンヌの影響を受けたヴラマンク「風景」(一九一五)、セガンティーニの大作「故郷へ帰る」(一八九五)、マイヨール、ロダンの彫刻などがある。(現在、これらのうち、セザンヌとフランス印象派の作品は新国立美術館にすでに移されている。) ドイツの画家では、メンツェルの「フリードリッヒニ世、一七五七年十二月五日の情景」、民衆の生活を描いたマックス・リ-バーマン、子供の絵を描いたウーデの作品、ヤウレンスキーの「顔」(一九二一)、バウマイスターの構成主義の作品、アウグスト・マッケ、オスカー・シュレンマー、ファイニンガーの「力-二バル」(一九〇八)、エドガー・エンデもあった。さらにオットー・ディクスの作品が四点、ドイツ表現主義のキルヒナー「ケルンの大通り」(一九一四)、エミール・ノルデ「土人」(一九一四)も面白い。
その他ロットルフ、マックス・ペヒシュタイン、オスカー・ココシュカの水彩画などが目をひく。 あまりなじみのない画家も多かったが、ドガ、セザンヌ、ヤウレンスキー、キルヒナーの名作を見られたことが嬉しかった。 今後、十九世紀絵画の美術館となる予定だが、東西ベルリンのコレクションが統一されるのが楽しみである。
ペルガモン美術館では、フリードリッヒ大王の収集に始まった古代ギリシャ、オリエントの貴重な収集品が見られる。
旧来ドイツ政府が威信をかけて復元したペルガモン神殿、バビロンのイシュタル門は圧巻で、写真で見るのとは異なり、その大きさに思わず驚嘆の声をあげてしまった。彩釉煉瓦によるモザイクの青の美しさや、ライオンのモチーフでつくった壁など歴史の重みと共に迫力があり、見る者を圧倒してしまう。
二階にあがると、日本や中国の古い陶器やタイル、イランのミナイの壺や皿、絨毯や古い壁で作られた小部屋など、見ていて楽しい。唐三彩も美しかった。
貴重な美術品を第二次世界大戦の戦火のあと、かなり正確に修復して、きちんと保存している。美術文化保存にかけた予算も、意欲もかなり大きいものだったことがわかる。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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