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ダーレム美術館(ドイツ) 2009年7月23日更新
【和:ダーレムびじゅつかん】 |
【英:Museen Dahlem,Gemaldegalerie】 |
研究機関|>ダーレム美術館(ドイツ) |
ベルリンのダーレム地区にあるダーレム美術館はドイツを代表する美術館として、またレンブラントをたくさん所蔵することで世界的に知られている。
この美術館の所蔵作品は千五百点にも及ぶ。旧ドイツ帝国のコレクションは第一次世界大戦、第二次世界大戦を経て、ベルリンの東西分割など激動の中で散逸したものもあるが、質、量ともに世界有数の美術館である。
入場は無料でロビー中央に寄付を受け付ける箱が置かれている。想像していた以上に大きい規模の美術館であるが、ともかく歴史を追い年代順に主な所蔵作品を紹介してゆくことにする。
まず、ジョツトほか十四世紀の宗教画、ジョヴァンニ・ベルリーニ、父のヤーコポ・ベルリーニや兄のジェンティーレ・ベルリーニの「ベルリーニの部屋」がある。カラバッジョが二点、ラファエロやコルレッジオがあり、ボッティチェルリの部屋には名品が五点ある。なかでも大作「聖母子とニ人の聖ヨハネ」(ー四八五)は背景の描写も細かく見事である。・「若い女の肖像」フンュリアーノ・デ・メディチの肖像」も素晴らしい。「ヴィーナス」は印象に残る作品である。
フラ・アンジェリコの三部作「最後の審判」、フィリッポ・リッピの「森の中の礼拝」の聖母子が素晴らしい。マルティン・ショーンガウアーの「キリストの降誕」、デューラーの「フレデリック三世の肖像」「ムッフェルの肖像」「ホルツシューアーの肖像」などの肖像画はさすが描写が鋭い。
ヴァン・デル・ウェイデンの「白いキャップの女性の肖像」「聖マルガリータと聖アポロニア」など繊細な美しさをみせる。ブリューゲルとボッスの部屋には、ピーテル・ブリューゲルー世「ネーデルランドの諺」(一五五九)の大作があり、さらに「つながれた二匹の猿」は哀愁を帯びていて印象的である。ボッスは「聖ヨハネ」が面白い。クラナッハ(父)の「蜂の巣を盗んだキューピッドとヴィーナス」「森の中のアポロンとディアナ」などがある。
十八世紀の英国絵画ては、レイノルズの大作「家族」ローレンスの大作「子供たち」、ゲインズボローの「少女と少年と犬」や「老婦人の肖像」が目をひく。ルーベンスの「イザベラ・ブラントの肖像」「鳥を持つ子供の肖像」、フェルメールの「真珠の首飾りの若い女」の十号大と、「ワインを飲む男女」二十号大がある。作品の少ないこの画家にとっては、どちらも貴重な二点である。
フランス・ハルスの「ハルレムの巫女マルレ・バッベ」と続く。
そしてなんといっても、この美術館の宝、レンブラントの名品がずらりと並んでいる。有名な「黄金のかぶとの男」、一番めの妻「サスキア」、第二の妻「ヘンドリッキェ」もある。「義父を脅すサムソン」の大作、「自画像」も数点あり、どれも言葉にならないほど素晴らしい。さらに「スザンナと長老たち」「キリスト」というようにこの美術館は二五点ものレンブラントを所蔵している。
絵画だけで見応えがあり、もう彫刻などほかの美術品を見る気がしなくなるほどであった。古い建物で、今日風の派手な建築ではないが、木の床と天井からの照明と窓の明りの併用で絵が見やすいのがいい。縁の美しいダーレム地区は環境も申し分ない。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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