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ウィーン近代美術館(オーストリア) 2009年7月26日更新
【和:ウィーンきんだいびじゅつかん】 |
【英:Museum modemer Kunst】 |
研究機関|>ウィーン近代美術館(オーストリア) |
ウィーンのリヒテンシュタイン宮殿の中に近代美術館がある。入口を入ると一九九一年に亡くなったティングリーのオブジェがロビーの中央にある。その右がコーヒーショップになっている。
広い階段をのぼって二階へあがる。大理石の床にきらびやかな装飾の壁と天井の広間にコンテンポラリーのオブジェが置かれている。この不思議な組み合わせがとても面白い。
ミンモ・パラディモ、ジャスパー・ジョーンズ「二つの旗」や「ターゲット」、ウオーホルの「ミック・ジャガー」のシリーズ十点、「骸骨」、ラウシェンバーグの一九六〇~七〇年代の作品数点、チェンバレンのオブジェなどアメリカ作家中心のコンテンポラリーである。
三階へは細い階段であがる。この階はシンプルな壁面である。ドイツ表現派ではヤウレンスキー「女の肖像」やペヒシュタインがいい。イタリアの未来派のジャコモ・バルラ「太陽を通過する水星」、クプカ「黄色い汚れ】がいい。ここにはレジェの一九二七年作もあった。
シュルレアリスムではマグリット「血の声」が静かな絵なのに大木が何かを激しく訴えているように思える。ベルメール「昼寝」、マックス・エルンスト「神々の祭」も印象に残る作品である。ピカビア、マン・レイ、マッタと並び、マックス・エルンストやミロの彫刻もあった。
カンディンスキーも一九三三年と一九三九年の作品が飾られてあった。クレー「船と断崖」、モンドリアンがある。カルダーのオブジェ、ジャコメッティ「ディエゴ像Ⅱ」の彫刻もみられる。
タピエス、フォンタナ、スーラージュ、マチュー、マザーウェル、マーク・トビー、そしてクリスト、セザール、アルマンと一通りの作家の作品が展示されている。テレビを使ったオブジェで有名な韓国のナム・ジュン・パイクもあった。
彫刻ではデュシャン=ヴィヨン「馬」、リプシッツ、シュレンマーなどが置かれている。
ウィーンは他の主要都市と比べて近代美術館は遅れてスタートした。構想は十九世紀末からあったものの、一九五五年に初の二十世紀美術の展示があり、一九六二年にシュウェイザーー・ガルテンの建物を使って開館したのである(現在の近代美術館二十世紀美術館)。その後、一九七八年、ルードヴィッヒ夫妻からの委託かおり、そのため、このリヒテンシュタイン宮殿が使われることになった。
現在、二つの美術館で二十世紀美術を主とした近代美術が展示されている。リヒテンシュタイン宮殿の方は数は少ないが質のよい楽しめる作品が多い。また、宮殿とコンテンポラリー・アートの合わせ方も面白い。
シュウェイザー・ガルテンは、一階が企画展示室、二階が常設展示室となっている。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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