考古用語辞典 A-Words

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アントワープ王立美術館(ベルギー) 2009年7月30日更新

アントワープ王立美術館(ベルギー)

【和:アントワープおうりつびじゅつかん
【英:Koninkliijk Museum voor Schone Kunsten
研究機関|>アントワープ王立美術館(ベルギー)

 アントワープの繁華街から少し外れたところに王立美術館がある。どっしりとした構えが印象的で、約二千五百点の作品を所蔵している。
 階段を数段あがると、大理石の壁にモザイクの床である。このロビーの周囲は大きな壁画で囲まれ、ロダンの「カレーの市民」が置かれている。そしてロビーのほぼ中央のところに館内の案内国が掲示されていて、自分の見たい作品の部屋を探すのに便利にできている。一階が十九世紀から二十世紀、二階が十四世紀から十七世紀の展示になっている。全部で四十数室もある。
 まずルーベンスを見る。二階にのぼるとすぐの部屋に、ルーベンスが十二点あった。なかでは「十字架降下」(一六一二)の三部作がいい。その奥の広い部屋にはルーベンスの大作が多く十三点あった。ここでは「ガスパー・シェバルティウスの肖像」や、美しい「フリジダのヴィーナス」が特に優れていると思う。ルーペンスの作品に登場する人物は、ことごとく温かく血のかよった肌合いで描かれている。次の部屋には、ファン・アイクの大作「十字架のキリストとマリアと天使」やヨルダーンスの名作「老いが歌えば若きは笛吹く」などがある。 続く各部屋の目にとまった名作を拾ってゆくと、レンブラント「サスキア」「説教師エリーゼル・スワリウィウス」は共に素晴らしい。ハンス・メムリンクの三部作でたくさんの天使がキリストを囲み音楽会に興じるという優雅な絵画かおる(「奏楽の天使たちに囲まれるキリストの祭映画」)。ヴァン・デル・ウェイデンの大作「七つの秘蹟」の三部作や、ファン・アイクの宝石のような小品「泉の聖母子」や素晴らしいデッサン「聖バルバラ」がいい。
 さらに、ルーカス・クラナッハ(父)の「アダムとイヴ」や「カリタス」が美しい。前者の「イヴ」は、蛇にそそのかされてりんごを今しも口にしようとする図であるが、背景を暗くして裸婦の美しい線をひきたてたクラナッハらしい絵である。
 またブリューゲルー族の絵画がある。描き方もテーマもほぼ同じなのだが、その中でピーテル・ブリューゲル一世の「結婚祝いのダンス」が圧巻である。ほかにブリューゲルニ世が七点、三世が数点、ヤン・ブリューゲルが二点あった。イタリア・ルネッサンスの巨匠、ティツィアーノの作品もある。
 一階へおりると、正面奥の部屋のジェームス・アンソールがなんといっても素晴らしい。数えてみると十八点あり、その中に「首吊り男の為の骸骨たちの戦い」(一八九一)や「陰謀」(一八九〇)などの代表作がある。「画架の前のアンソール」も面白い自画像である。この部屋の続きには、点描派のテオ・ヴァン・レイセルブルグの「M・ヴァン・デ・ワェルデ夫人像」(一八九一)やアンリ・ヴァン・デ・ヴェルデの「窓辺の婦人」がある。
 出口に向かって各部屋をのぞきながら移動してゆくことにする。まず、アングルの「自画像」かおる。アングルらしく正確に描写されている。ルーベンス、ヨルダーンス、ヴァン・ダイクの大作が」点ずつ掛けられている。
現代作家の作品を展示している部屋もあり、モジリアニの「座る裸婦」やアクリットの「九月十六日」「復讐」、ドガの「水浴のあと」、デルボーの「ばら色のリボン」や、「この人を見よ」の、骸骨の集団に囲まれたキリストの磔刑図などがある。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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