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アムステルダム国立美術館(オランダ) 2009年7月31日更新
【和:アムステルダムこくりつびじゅつかん】 |
【英:Rijksmuseum Amsterdam】 |
研究機関|>アムステルダム国立美術館(オランダ) |
アムステルダム国立美術館は、一八八五年七月十三日に開館した。百年祭を迎えた一九八五年に館内を大改装し、採光もよく見やすい空間となっている。コレクションの始まりは一七九八年にさかのぼり、フランス革命の結果、ネーデルランド連邦共和国が崩壊、国中に散在する宮殿に所蔵されていた美術品を集め、フランス側の意向として国立美術館が設置された。当時は二百点の絵画を所蔵するにとどまった。
改装された館内は明るくさっばりとしている。収蔵品の多い美術館なので、まず目指す作品を決めて二階から見始めることにする。ステンド・グラスが美しい.そこから展示室に入ると、レンブラントの作品がひしめいている。一番奥の正面に「夜警」がある。本来の画題は「フランス・バ二ング・コック隊長とウィレム・ファン・ライテンブルフ副官率いる市民隊」(一六四二)であるが、画面が古くなったニスのために暗くなり「夜警」と呼ばれるようになったのである。当時六人の画家に市民隊の集団肖像を依頼したが、絵の中の十六人のモデルたちはそれぞれお金を支払って描いてもらっている。中央で光を浴びる大尉と中尉が一番高いお金を支払ったと伝えられている。払わないで描いてもらった人を入れて十九人が描かれており、集団肖像画として名品である。
「ユダヤの花嫁」(一六六八頃)や「アムステルダム布地商組合の見本調査官たち」(一六六二)、「自画像」(一六二八)をはじめ十九点のレンブラントは圧巻である。
その他、四点あるフェルメールも素晴らしい。「牛乳を注ぐ女」(一六五八頃)、「手紙を読む青衣の女」(一六六二―六三)など、どれも光が美しく、詩情が漂っている。明暗の鋭さは、作品に近寄ってみてさらにその巧みな描写力に驚かされる。フランス・ハルスも九点ぐらいあり、「愉快な酒呑み」(一六二八-三〇)、「イサーク・アブラハムス・マーサとベアトリックス・ファン・デル・レーンの婚礼肖像画」(一六二二頃)などが印象に残った。レンブラントの重い暗さの中の光の表現に比べ、ハルスはもっと陽気である。
現在、この美術館には五千点以上の絵画、彫刻と工芸品が三万点、歴史的記念物一万七千点、アジア美術三千点と大量の版画がある。しかし、何といっても目玉はオランダ絵画であり、十七世紀のものが素晴らしい。
二階にインフォメーション・デスクがあり、そこでは親切にいろいろな説明をしてくれる。日本語のカタログも出版されている。年間、百万人以上の人が訪れている。
一階の右側にレストランがある。グレーと赤の椅子がモダンで、若者に人気のある雰囲気だ。軽食を中心にメニューも案外多い。朝十時から十六時四十五分まで間いている。レンブラントもフェルメールもじっくりご覧になるといい、快い疲れが残るくらいに。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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