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アムステルダム市立美術館(オランダ) 2009年7月31日更新

アムステルダム市立美術館(オランダ)

【和:アムステルダムしりつびじゅつかん
【英:Stedelijk Museum
研究機関|>アムステルダム市立美術館(オランダ)

 アムステルダム市立美術館は一八九五年に開館して以来、一八五〇年以降の近代美術を収集すると共に数々の重要な展覧会を企画してきている。一九〇五年には早くもゴッホ展、一九○九年にはモンドリアン、一九一一年ごろからセザンヌ、ピカソ、ブラックらの展覧会を開催し、一九二〇年代にはマレーヴィッチ、タトリン、カンディンスキーなど近代ロシア絵画を紹介している。現代に至るまでいろいろな美術展を開催し、美術館として積極的な活動を展開している。隣りにゴッホ美術館、その少し先に国立美術館がある。
 建物は二階建てで、一階にはデッサン、ポスター、写真、彫刻、宝石のコレクションが収められている。二階には主に絵画が展示されている。二階だけでも三十室近い展示室があるので、特に名品の揃っている部屋を紹介したい。
 玄関を入ると白い石の階段があり、これを二階へのぼる。天井も県も白く、モダンな白い空間が煉瓦造りの建物の外観と際立ったコントラストを見せる。
 あがりきって左へ行くと、マチスのコラージュの大作がある部屋である。そこから右へ行った部屋では、ルドンが美しい。一九〇八~一〇年作「花と女」、一九〇八年作「レオナルド・ダ・ヴィンチヘのオマ―ジュ」と傑作が並ぶ。
 その隣りの部屋にはゴッホ、マネ、モネ、セザンヌの名品がそれこそ目白押しである。ゴッホ「マダム・ルーラン」からは強い印象を受ける。セザンヌ「サント・ヴィクトワール山」や「桃と瓶」もいい。マネの「フォリー・ベルジェールのバー」(コートールド美術館蔵)の習作も素晴らしい。
 次の部屋には、ボナール、ヴュイヤール、モンドリアン、ドングン、アンソールがある。アンソールの「静物」は素晴らしい。ドンゲンの「年をとった道化師」もいい。
 次はカンディンスキー、マレーヴィッチ、モンドリアン、ブラック、シャガール、ス-チンらの名作が並んでいる。マレーヴィッチは油彩画二九点を含む五十点ほどのコレクションをもち、中でも「モスクワの英国人」(一九五三年のヘップワースの木彫、そしてアルプの作品が置かれている。次はグリの部屋、最後の部屋にはアンソール、ドニ、シャバンヌ、リプシッツの彫刻が置かれている。
 ゴッホを中心とした大きな部屋の中央には中庭があるが、奥の六部屋に通じる廊下に面した部分だけに窓があり、庭を眺められるようになっている。正面にスーラの大作「カンカン踊り」がある。これは一八八九年から九〇年にかけて描かれた名作で、スーラの数少ない大作の一つである。ゴッホの作品は四十数点がこの部屋に掛かっていた。中でも私の好きな作品は「郵便配達夫」「マダム・ジノー」「ミリエの肖像」「マダム・ルーラン」などのカラー・コントラストの強い肖像画や有名な「アルルのはね橋」「夜のカフェテラス」「ひまわり」などである。
 奥の六部屋に進み、まず右側の部屋に入ると、正面にルノワールの「ピエロ」がある。彼の二十七歳のころの作品だが白三十号の大作で、晩年の甘い優しさは全くないが名品である。その他セザンヌ、ゴーギャン、ヨンキント、シニャック、ピサロ、モネら巨匠たちの作品がずらりと並んでいる。三番めの部屋は十六世紀の宗教絵画が飾られていた。
 左側の三室は、初めの部屋に十六世紀から十七世紀にかけての油彩画、次の部屋にはゴッホの一八八四年から八六年までの作品とミレー、ドーミエ、モンティセリ、マネなどがありどれも重くて暗い。三つめの部屋にはゴッホの一八八一年から八五年にかけての暗い時代の作品が掛けられている。ハ-グやエネで描かれたものであろう。
 緑の森の中の彫刻庭園は広く、ロダン、ムア、マイョールなどからヘップワースやデュビュッフエの巨大な作品まで置かれている。この美しい土地を選び、価値ある作品を選んだミュラー夫人の芸術感覚は、偉大な歴史的遺産として人々の心に深い感銘を与える。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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