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ミロ美術館(スペイン) 2009年8月1日更新

ミロ美術館(スペイン)

【和:ミロびじゅつかん
【英:Fundacio Joan Miro
研究機関|>ミロ美術館(スペイン)

 ミロ美術館はミロ自身によって、一九七一年に財団が設立され、一九七五年に開館した。二一七点のタブロー、五千点のデッサン、一五三点の彫刻はミロ自身が寄付した。ミロの一生の仕事を研究する場所として、また一般の現代美術の企出展を開くなどの目的で設立された。
 モンジュイック公園の中に白く輝くモダンな建物が、ミロ美術館である。小高い丘の禄に囲まれた環境は、ミロのお気に入りであったようだ。前庭が芝生で、入口はガラスの扉でロビーが見える。その向こうに中庭、さらにその奥の裏庭まで見渡せる設計になっている。明るく開放的である。一階は左側が企画展示室になっており、中庭の裏側の展示室と二階にミロの作品が常設されている。一階には晩年の彫刻やタピスリー、油絵などがあり、そこから二階ヘスロープをのぼっていくと、再び晩年の作品群がある。菱形の部屋はデッサン室で、一九〇一年ミロ八歳のときの作品から、晩年までのデッサンが飾られている。ミロの素顔が歴然とわかる部屋である。その前に、三階の図書室へあがる階段がある。
 友人の画家たちから寄贈された作品のコーナーもある。レジェ、タンギー、ムア、バルテュス、マチスのデッサン、マッソン、アレシンスキー、ラウシェンバーグ、サム・フランシス……たくさんあるが、残念ながら、そのためにまとまりがない展示となっている。その中で、エルンストの大作のオブジェが印象的であった。  スロトブをあがった二階の左手に、ミロ夫人のコレクションの部屋があり、ここには、ミロの初期から一九五〇年ころまでの作品があり、見応え充分の名品も多い。
「自画像」も面白いし、一九四〇年作の「朝の星」もすてきである。ミロは戦争中に、星をテーマにいくつも作品を描いている。それらの作品について、「戦争中は夜空の星が一番きれいでした」と、私に語ってくれたのだった。  その部屋の真下の一階に、友人ホワン・プラットの旧コレクションの部屋があり、そこにも一九一七年から一九五〇年代の作品が釣られている。一九二五年作「絵画」はブルーの美しい小品、一九三四年作「絵画」は力強い。一九三九-四四年のバルセロナ・シリーズの版画五十点も見応えがある。
 ミロ夫人の部屋とこのプラットの部屋には印象に残る好きな作品があふれている。主展示室の奥にあるので、見落とさないように気をつけたい。ミロの作品は子供のいたずら描きのようでいて、人生への深い愛を強く訴えている。
 屋上や中庭には、ユーモラスでカラフルなミロの彫刻が置かれている。中庭に面したテラスにコーヒーショップがある。明るく、とてもリラックスできるところである。レストランもあり、簡単な昼食をとれる。建物はシンプルだが、踊り場と展示室を結ぶ廊下が開放的にできていて、ガラスを上手に使っている。建物とまわりの自然とが調和していて美しい。ミロの作品にはウィットと楽しさがあるが、美術館全体がその特質を上手に表現していると思う。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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