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ストックホルム国立美術館(スウェーデン) 2009年8月1日更新
【和:ストックホルムこくりつびじゅつかん】 |
【英:Nationalmuseum , Stockholm】 |
研究機関|>ストックホルム国立美術館(スウェーデン) |
ストックホルムの国立美術館は港に面した町の中心にある。スウエーデン王室が絵画を集め始めたのは一五二〇年ごろからである。一七九二年、王立美術館が造られ、一八六六年には国立美術館が開館した。現在六千五百点にのぼる絵画を所蔵している。
建物はグランド・フロア、一階、二階、と三階建てになっている。グランド・フロアはミュージアム・ショップとレストラン、クロークがあり、ここにはデッサンだけの展示室がある。エレベーターか階段で一階へのぼると、この階は十五~二十世紀初めまでの工芸品、家具、タピスリーなどが十五室に分かれて展示されている。
さらに、もう一階あがると、絵画のコレクションが展示され、天井からの自然光と人工光とがミックスされ、程良い明るさの空間となっている。建物そのものが古い小さな宮殿のようで、高い天井にも絵が描かれて美しい。
まずルーベンスの見事な大作があり、それにプーサンがいい。この部屋は南ヨーロッパの十六~十七世紀の作品が展示されている。
ヨーロッパの十五-十六世紀の作品で、エル・グレコ、ペルジーノ、クラナッハ(父)などの名品があるが、この中でもクラナッハ(父)の「お金のかけひき」は、一六三二年にミュンヘンのコレクションからスウェーデンに移ったもので、作品の描写が鋭くて面白い。そして、この美術館の目玉ともいえるレンブラントが十点並んでいる。
なかでも、「バタヴィア人の誓い」(一六六一~六二頃)は大作で、アムステルダムの市庁舎のために制作されたものである。「キッチン・メイド」(一六五一)も名品である。
「シモンと幼児キリスト」はレンブラントの最晩年の作品といわれている。ブーシェの「ヴィーナスの勝利」(一七四〇)が美しい。ここには十八世紀フランス絵画がある。また、シャルダンの小品が七点ほどあるが、その細かい描写からはじっくりと見る楽しみを味わえる。
フランス十九世紀絵画は、私たちに身近な作家たちの作品群である。ルノワールが四点、セザンヌも三点あるが、「セザンヌ夫人」「風景」「彫刻のある静物」(一八九五頃)とどれも名品である。ゴーギャン、ボナール、ロートレック、ドガ、マネ、ピサロ、シスレー、モネと、おなじみの作品が一通り揃っている。マネの「梨をむく少年」も印象に残る。中央ロビーのゴヤの大作にも注目したい。大きな美術館ではないが、優れた美術館である。工芸品や家具も揃っていて楽しい。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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