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ストックホルム近代美術館(スウェーデン) 2009年8月2日更新
【和:ストックホルムきんだいびじゅつかん】 |
【英:Modema Museet with Fotografiska Museet】 |
研究機関|>ストックホルム近代美術館(スウェーデン) |
ストックホルムの国立美術館から歩いて数分のところに近代美術館がある。平屋建てで美術館としては重苦しさがなく、親しみやすい。この美術館は一九五八年から、十九世紀の建物を使って開館していたが、一九七五年に現在の建物に新しく生まれ変わったのである。
中へ入ると、とてもあっさりとしていて倉庫を改造したかのようなコンテンポラリーな空間である。天井は高く、床は板で、壁も白く、広い部屋をパネルで仕切っているのがとてもモダンである。まず、デ・クーニング、ジャスパー・ジョーンズ、イヴ・クライン、フォンタナ、タピエスの一九六〇年前後の作品群、ポロックやフォートリエの一九四〇年代の作品がある。ジャコメッティも彫刻、油絵、デッサンとどれも名品である。クレーも三点あった。デュビュッフェは八点が飾られていたが、一九四六年作の「帽子を被る裸婦」が特によかった。ラウシェンバーグのオブジェ(一九五五)は羊とタイヤの組み合わせが面白く、印象に残る。
カンディンスキーやマレーヴィッチもあり、共に一九三〇年代の作品である。シャガール「サーカス」(一九四〇)の小品が面白い。タンギーも一九三四年の小品がある。ダリの大作も迫力があった。エルンストは二点あり、「空想の夏」(一九二七)が素晴らしい。カルダーの動くモビールの一九三四年の作品も楽しい。ミロは五点飾られてあったが、「ロバのいる畑」(一九一八)が印象に残る。
「カタロニア人の農夫」(一九二五)はブルーが美しい。「赤い人物」(一九二七)もよかった。キリコ、ピカビアもある。モンドリアンも数点ありどれもよかった。
ピカソ、ブラック、ジュアン・グリはたくさんあり、それぞれ見応えのある作品である。ピカソの作品の中では、「泉」(一九二一)や「娘」(一九二九)、「女」(一九〇七)に、キュビスムの時代の「ギター弾き」が特にいいと思えた。ブラックもやはりキュビスムの時代の作品が素晴らしい。「バイオリンのある静物」(一九一一)は洒落た雰囲気がある。レジェも五点あったが、「階段」(一九一四)が一番いい。モジリアニ「座る女性」は黒い服を着た女性像で素晴らしいと思った。ルオー、ユトリロもあり、どちらも魅力のある作品であった。
次のコーナーは、キルヒナー、ノルデ、ココシュカ、ムンクと揃っている。ここにはカンディンスキーの一九〇八年の作品もあり、とてもよかった。彫刻では、ブランクーシ「新しい誕生」の天理石像が素晴らしい。 マチスも何点も飾られており、「二人のオダリスク」(ー九二八)と切り紙とグワッシュの大作が印象に残る。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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