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国立アテニウム美術館(フィンランド) 2009年8月2日更新

国立アテニウム美術館(フィンランド)

【和:こくりつアテニウムびじゅつかん
【英:Ateneumin Taidemuseo
研究機関|>国立アテニウム美術館(フィンランド)

 ヘルシンキにある国立アテニウム美術館は、大がかりな改築工事が終り、一九九一年五月二十四日、新しく開館した。私が訪れたのはオープンの一週間後であったので、新しいアテニウム美術館を見ようとする市民たちで賑わっていた。
 入って右がコーヒーショップとミュージアム・ショップ、左が企画展示室である。真ん中の階段で二階へ行くとフィンランドの画家の十八世紀から二十世紀初めまでの作品が並んでいる。ユーゴ・シンペイの「傷ついた天使」、エル・アルネフェルト「しがない給料生活者」、不思議な雰囲気のマグナス・エンケル「起床」、フランス印象派的なアルベール・エトルフェルト「ルクサンブール公園」と「教会の外の女たち」などである。
エレン・スジュルベック「会話」の可愛らしさも印象に残った。またペッカ・ハロネンの「氷の上の洗濯」もフィンランドらしい風景である。ロシアのレーピンの作品が三点ある。「女の肖像」(一八八九)がいい。
 デッサン、版画の部屋は照明を暗くしてあり、飾り方も上手で楽しませてくれる。マグナス・エンケルの若き日の作「少年と骸骨」(一八九二)は素晴らしい。  三階には外国の作品も飾られている。まず、ムンクの二点「シーフラー博士の肖像」「男たちの水浴」、どちらも大作である。セサンヌ「エスタックヘの道の橋」(一八八二一八五)、ルオー「キリストとピラト」、ゴッホ「オーヴェール・シュル・オアーズヘの道」(一八九〇)、ゴーギャンが二点、「タヒチの風景」(一八九二)と「ドミニカ島風景」(一九〇三、モジリアニ「画家レオポルドの肖像」(一九一八)、シャガール「マンドリン弾き」(一九一四)、いずれも名品である。その他、ヴラマンク、デュフィ、レジェ、シニャック、ボナールなどの作品がある。ロダンやブールデルの彫刻もある。
 また現代美術もある。サム・ヴァニの一九五九年作の大作のコラージュがとてもよかった。イヴ・クラインのブルーのオブジェもあった。その他、コルビュジエ、カンピリもある。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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