考古用語辞典 A-Words

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ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館(デンマーク) 2009年8月2日更新

ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館(デンマーク)

【和:ニイ・カールスベルグ・グリプトテクびじゅつかん
【英:Ny Carlsberg Glyptotek
研究機関|>ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館(デンマーク)

 ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館は、デンマークの首都コペンハーゲンの、チボリ公園の東、アンデルセン通りに面してある。どっしりした建物がそれで、カールスベルグ・ビールの創始者カール・ヤコブソンが市に贈ったコレクションを中心に展示されている。この美術館はコペンハーゲン市とデンマーク政府の支援を得て、一八九七年から一九〇六年にかけて建てられた二つの建物でできている。この二つの建物は温室でつながっており、所蔵作品の多くを生んだ地中海地方の気候を再現し、美術館を散策する北欧の人々のオアシスとなっている。
 最初の建物に入ると左右に二階へあがる階段があり、玄関ホールが吹き抜けになっている。その周囲に中二階が回廊形に続き、二階がまたそのまわりに続く様式で、ほとんどの部屋に天井からの自然光が入るようになっている。
 中二階はフランスの印象派から始まる。ヴュイヤールのパステル画、ピサロ、ボナール、モネらの作品が数点ずつ展示されている。続く部屋にはドガの小品の彫刻が五十点近く陳列されている。中には今までに見たことのない浴室の女や顔、そして踊り子、さまざまなポーズの馬の彫刻などが並べられている。おそらくドガの彫刻コレクションとしては世界有数のものと思われる。
 次の部屋は明るく、ルノワール、シスレー、モリゾー、セザンヌ、ドガの油彩画が数点ずつ展示されている。セザンヌの「水浴」と自画像が際立って素晴らしい。この部屋にはドガのチュール・レースの衣装をつけた踊り子が置かれていた。
 二階へあがると、広い部屋にゴーギャンが二八点も飾られている。初期からブルターニュ時代のものが多く、タヒチ時代のものは数点だけだった。しかし、世界の美術館の中で、これだけの数のゴーギャンを集めているのは珍しい。ゴッホの晩年の作「ばら」「サン・レミの風景」「タンギー爺さん」などが一緒に飾られている。ロートレック作「シュザンヌ・ヴァラドン」や「ナポレオンー世」、ピカソの一九〇一年の作品も素晴らしい。ここにもマチスの彫刻やマイヨールの彫刻が置かれている。二階の反対側に、忘れられたようにひっそりとした小さな部屋がある。ガラスの飾り棚が両側にあって、その中に一九二九年と三〇年作のミロ、フンデルトワッサーの作品、シャガールの水彩画、カンディンスキーのデッサンなどどれも小品で珍しい作品ばかりが展示されている。
 二階は白っぽい壁に木の床という北欧らしい簡素な造りだが、一階は全く異なって宮殿のような造りである。オレンジ色の壁に金の彫り物や壁画で飾られた高い天井に、床はきれいなタイルである。ここにはロダンがニ十数体あり、「カレーの市民」などの大作が多い。
 ドーム形の丸天井の温室の回廊には、十九世紀末の彫刻が置かれ、熱帯の植物園のように生い茂った椰子の緑とよく調和している。そこを通って第二の建物に入ると、まず正面にコンサートホールがある。古代ローマ様式の部屋で円柱と赤い壁に囲まれ、ローマ・アンピール時代の彫刻のコピーが飾られている。
 コンサートホールを中心に展示室が回廊形になっていて、エジプト美術、オリエント美術、ギリシャ・ローマ時代の肖像彫刻と続いている。歴史に登場するローマ時代の重要人物のほとんどをここで見ることができる。印象派やゴーギャンの絵のコレクションもあるが、総体的にはやはり彫刻美術館である。建物が古くがっしりとしているので彫刻との調和がとてもよい。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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