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チャリトリスキー美術館(ポーランド) 2009年8月3日更新
【和:チャリトリスキーびじゅつかん】 |
【英:Biblioteka Czartoryskich】 |
研究機関|>チャリトリスキー美術館(ポーランド) |
チャリトリスキー美術館は町の中心の広場の近くにある。この美術館は、チャリトリスキーというお金持ちの館だった小さな城で、彼のコレクションを一般公開している。中に入ると、まず、靴にカバーをつけさせられる。床の保存のためである。大理石の階段をあがると展示室である。ここから木の床で、二階には甲冑のコレクションやガラス器、銀器、タピスリーなどがある。さらに階段をのぼると、絵画の展示室となる。十四世紀イコンや宗教画、そして十六世紀から十七世紀へかけての作品群があるが、特筆するものは見当たらない。小さな部屋をいくつも見ていくと、やっと目指すレオナルド・ダ・ヅィンチの作品があった。小さな部屋に一つだけ飾られていて天井光で見せている。近くに湿度計が置かれ、大切にしているのがわかる。「白テンを抱く貴婦人」という作品であるが、ともかく美しい。黒い背景に青の袖、黒いネックレス、髪の形も面白い。品のよい、優しい顔立ちである。モナ・リザより遙かに美しく、色も変色していないので、しっとりとした落ち着きがある。私は吸い込まれるように作品の前で釘付けになった。「はるばる来てよかった。訪れた価値があった」と思ったものである。
この作品については、以前エルミタージュ美術館の西洋美術部のコステネヴィチ氏から「東欧へ行くのなら、せひ見に行くように」と勧められていた。彼がダ・ヴィンチの名品と言っていたのがよくわかった。素晴らしい作品である。
レンブラントの「善きサマリア人のいる風景」もあったが、「白テンを抱く貴婦人」を見たあとでは、感慨も薄れてしまった。この美術館の近くに、戦争の暗い思い出であるアウシュビッツの収容所の跡がある。また地下四頁メートルまで掘られている塩の洞窟もある。ここは現在も採掘していて、その洞窟に塩の彫刻がたくさんあり面白い。ワルシャワから一日がかりのドライブとなるが、楽しい旅である。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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