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プーシキン美術館(ロシア) 2009年8月4日更新

プーシキン美術館(ロシア)

【和:プーシキンびじゅつかん
【英:Pushkin Museum of Fine Arts
研究機関|>プーシキン美術館(ロシア)

 プーシキン美術館はモスクワの中心部にあり、その西洋美術のコレクションの素晴らしさは世界的に知られている。モスクワ大学の美術史学部の施設として一八四八年に設立されたのが始まりである。開設当初は紀元前四世紀からルネッサンス期までの彫刻(石膏)の複製がほとんどだったが、一九一二年になって、モスクワ大学教授イワン・ツベタエフによって、公的な美術館としてクレムリンの近くホルホカン通りに新しく開館した、一九三七年はロシアの大詩人アレクサンドル・ブーシキンの没後百年に当たり、この詩聖の名が美術館につけられたのである。
 建物は堂々たる偉容を誇り、一階にギリシャ・エトルリア美術や古代の複製品の部屋がある。このコレクションが元来のモスクワ大学美術史学部当初からのものである。だが、この美術館の素晴らしさは、膨大な西洋美術のコレクションにある。
 フランスの十七世紀から十九世紀の部屋には、ミレー、ブーシェ、ワトー、フラゴナール、シャルダン、プーサンがあり、その隣りのイタリアの十七世紀から十八世紀の部屋にはティエポロ、グァルディを含むイタリア美術が飾られてあった。  次の部屋がスペイン十七世紀美術で、ベラスケス、ゴヤ、リベーラが並び、続くオランダ美術では、レンブラントが六点、ヴァン・ダイクニ点にルーベンス四点、いずれも特筆すべき作品ばかりである。
 二階にあがると、アングル「聖餐式の前のマリア」、ドラクロア「遭難の後」、ジェリコー「男のエチュード」、レー「干し草」「枝集めの人々」、シャバンヌ「貧しい漁師」(一八七九)、ルドン「春」は百号の大作、カリエール「母の接吻」などどれも素晴らしい。
 さらにドガの「競馬」「スタジオの踊り子」「バレエの練習」、ルノワール「サマリーの肖像」(一八七七)、「黒い服の女達」(一八八○-八二)、「裸婦」(一八六七)は特にいい。モネは十一点あり、なかでもマネも描いた「草上の昼食」の大作や、ジヴェルニーの自宅に設けた日本庭園を描いた白い睡蓮」(一八九九)、「ロンドンの国会議事堂とかもめ」(一九〇四)、「ルーアン大聖堂、夕方」などが素晴らしい。マネは「アントワーヌ・プルーストの肖像」(一八七七)、「居酒屋」(一八七九)。そして、ゴーギャンのタヒチ時代の名品が十二点、「ヴァイテラマティという女」(一八八二)、「果実の収穫」(一八九九)は大作で見応え充分。ゴッホも名品揃いで、有名な「囚人の散歩」(一八九〇)、「ドクター・レイの肖像」(一八八九)、「アルルの赤いぶどう畑」(一八八八)などがある。セザンヌは、「アルルカンとピエロ」(一八八八)、「パイプを持つ男」(一八九五-一九〇〇)、「静物、桃と梨」(一八八八ー九〇)、「サント・ヴィクトワール山」と名品がひしめいている。
 さらに、ボナールの三白号くらいの大作二点、ヴュイヤール、ヴラマンク三点、ユトリロの白の時代、アンリ・ルソーの有名な名品「アポリネールとマリー・ローランサン」など、名作が揃っている。そしてなんといっても、マチスの「ダンス」(一九一二)、「金魚鉢」(一九一一)、「画家のアトリエ」などが目立つ。ピカソの青の時代の作品「サバルテスの肖像」(一九〇一)や「ユダヤの老人と少年」(一九〇三)、バルセロナ時代の「抱擁」(一九〇〇)、「玉乗りの少女」(一九〇五)の大作や「軽わざ師の家族」(一九〇五)のばら色の時代、「画商ボラールの肖像」(一九〇九~一〇)のキュビスムの名品。その他、ロートレック「イヴェット・ギルベール」(一八九四)、ブラックのキュビスム時代の作品というように、とにかく、素晴らしい作品ばかりである。革命前の豪商シチューキンとモロゾフがフランスで買い集めたものが主で、旧ソビエト政府の手でサンクトペテルブルク(旧レニングラード)のエルミタージュ美術館とここプーシキン美術館に分けて展示され、今日に至っている。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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