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ニューヨーク近代美術館(アメリカ) 2009年8月4日更新
【和:ニューヨークきんだいびじゅつかん】 |
【英:The Museum of Modern Art,New York】 |
研究機関|>ニューヨーク近代美術館(アメリカ) |
ニューヨークのマンハッタン五番街は高級店が立ち並ぶ、世界でも有名な繁華街である。その五番街の五三丁目を入ったところにニューヨーク近代美術館がある。
一九三九年に建てられたこの美術館は、その後、活動も広がり、収蔵品が十万点を超えたこともあって、一九八四年に新しく建て替えられて今日に至っている。四階建ての美術館の上に四七階の高級アパートタワーを造ったことが、当時の美術界で話題になった。美術館の上に人が住むというのも洒落ていて面白い。いかにもアメリカ的発想である。もちろん、五番街というマンハッタンの中心地に位置していることから生まれたアイデアであろう。
二十世紀美術を語るにはニューヨーク近代美術館を一通り見るのが一番である。画集などで学ぶより、"本物の絵"に接してニ十世紀美術というものを肌で感じることができるのがこの美術館である。
十九世紀末のセザンヌ、ゴッホ、ロートレック、スーラ、ルソーからマチス、ピカソ、シャガールを経て現代美術へと自然に誘導されていく。
ルソーの「眠るジプシー女」は彼の作品の中でも代表作といっていい名品である。ゴッホの「星月夜」も名品である。モネの晩年の「睡蓮」のコーナーも美しい。マチスもたくさんあり、有名な「ダンス」もここで見られる。ピカソは各時代ごとに揃えてあり圧巻である。シャガールやミロもいいものがたくさんある。カンディンスキー、クレー、モジリアニも素晴らしい。シュルレアリスムのダリ、エルンスト、タンギー、マグリットの部屋もある。
現代に入ってくるとベーコン、ワイエス、デュビュッフェからデ・クーニング、イヴ・クライン、スティル、ポロック、ステラなどのいわゆる現代美術へとつながっていく。
四階には「建築とデザイン」という展示場があり、スペインのバルセロナの鬼才ガウディの作った椅子や、旧帝国ホテルの設計者フランク・ロイド・フイトの椅子など興味深いものが多い。
この美術館にはレストランがニつある。一階のロビーを右へ行ったところの中庭に面してガーデン・カフェがあり、その上に美術館のメンバー用のレストランがある。ガーデン・カフェはセルフ・サービスになっていて気軽に食事ができる。五番街を散策して、買い物のついでに立ち寄るのもいいと思う。そんな折に、中庭に置かれているピカソやヘンリー・ムアの彫刻を眺めながら簡単な昼食をとるのは楽しい。季節によっては中庭にも椅子を出してくれる。世界的な大都会の真ん中でゆっくりした時間を過ごせるのも美術館ならではである。
美術館のロビー人口手前右に大きなミュージアム・ショップがある。ここは外からも直接入れて、カタログ、ポスターなどを求めることができる。最近、若い人に人気のあるボストン・バッグもある。布製のテニスのラケットも入る大きさで四九ドルという。若い人にはルイ・ヴィトンやエルメスより、もっとお洒落なのだろう。
一階は企画展示室で時々いい展覧会をやっている。新しい建物だけにシンプルながらよく考えて造られ、展示作品も見やすく楽しめる空間をつくっている。忙しいビジネス旅行の合間にちょっぴり美術と親しむのも気分転換になり、旅の思い出としても印象に残る美術館である。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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