考古用語辞典 A-Words

時代別順

旧石器時代
新石器時代
神話時代
殷・周時代
春秋戦国
秦・漢・三国
晋・南北朝
隋・唐・五代
宋・遼・金・元
明・清

分野別順

基本用語
青銅器
陶磁器
金銀・玉器
石器・ガラス
彫刻・書画
絹・衣類
建造物・遺跡・墓
歴史名城
歴史人物
研究機関
研究者
面白テーマ

イザベラ・スチュアート・ガードナー美術館(アメリカ) 2009年8月7日更新

イザベラ・スチュアート・ガードナー美術館(アメリカ)

【和:イザベラ・スチュアート・ガードナーびじゅつかん
【英:lsabella Stewart Gardner Museum
研究機関|>イザベラ・スチュアート・ガードナー美術館(アメリカ)

 ボストン美術館の裏手にイザベラ・スチュアート・ガードナー美術館がある。沼のほとりにあるこの美術館は、外見は静かな古い建物である。
 入口は狭く薄暗い。人ると急に十五世紀のベニスの館になっていて驚く。中庭を設えた回廊形の館は、四階建てになっている。
 イザベラ・スチュアート・ガードナー夫人は一八四〇年四月にニューヨークに生まれた。一八六〇年に友人の兄ジョン・ガードナーと結婚してボストンに移り住むが、せっかく誕生した男の子が二年後に亡くなり、この悲しみを癒すために、夫と共にヨーロッパに旅立つ。そのヨーロッパでの数カ月の滞在がガードナー夫人をよみがえらせた。彼女は音楽家、芸術家、財界人、学者、すべてにおいて一流の人と交際した。その後、何度もヨーロッパを訪れ、少しずつ作品を集めていったが、ハーバード大学の秀才ベレンソンを知り、一八八七年彼をヨーロッパに派遣してイタリア美術を勉強させた。一八九八年の夫の他界後、彼女は夫と計画中たった美術館の設立にとりかかった。そして、ベレンソンに集めさせたイタリアの名作を展示して一九〇三年に美術館は開館した。コレクションの展示はフランス絵画から始まる。ドガの「マダム・ゴージェリン」(一八六七)、マチス「サントロッペ」(一九〇四)、このマチスの絵は画家シニャックの庭で描いたものでアメリカの美術館に収蔵された最初のマチスの作品である。
 小さなスペイン風の聖堂があり、エジプトの木彫などを置いた回廊と、ローマの大理石の彫像を置いた中国風の涼み廊下を行くと、十八世紀のフランスのランスの聖堂のステンドグラスや日本の十四世紀の梵鐘も吊り下げられてある。また、売店横には横山大観の日本画が一点けられている。
 イタリア絵画の部屋には、ジョヴァンニ・ベルリーニの「聖母子像」(一四五六)、ボッティチェルリ「ルクレチアの悲劇」、ラファエロ「トマソ・インジラミの像」「ピエタ」(一五〇三ー○六)などが飾られている。「短い画廊」と呼ばれる小さな部屋へ入ると、ガードナー夫人と夫とその家族の肖像画が飾られ、デッサンと版画のコレクションが飾られている。その中にはミケランジェロのデッサン「ピエタ」やマチス、ゴヤのデッサンなども含まれている。
 コンサートホールとして使用されていたというタピスリーの部屋があり、さらに日本の屏風、狩野派の板絵、十七世紀の東インドの織物の部屋へと続く。  ハンス・ホルバインの肖像画、ヴァン・ダイク「ばらを持つ婦人」、デューラー「毛皮のコートの男」(一五二一)、レンブラント「自画像」「オダリスク」(一六三八)、レンブラントの珍しい海景「ガリレ海の嵐」(一六三三)、「黒衣の男女」(一六三三)、フェルメールの「合奏」、ルーベンス「トーマス・ハワード」などの名品が所狭しと並んでいる。さらにヴェネチア派のティエポロの「バルバロサの結婚式」、ティツィアーノが八十五歳のときの作品「エウロベの略奪」(一五六一)がある。ベラスケスの「フェリーペ四世」も見事な作品である。
 コンサートホールの上に「長い画廊」と呼ばれる場所があり、いくつかに区切られていて、ここにボッティチェルリの「聖餐式の聖母子像」(一四七〇)がある。この絵は一八九九年までイタリアのチギ王子の宮殿にあったので「チギの聖母]といわれている。
 とにかく、どの部屋も装飾で一杯で、古い絨毯、骨董家具、銀の飾りや食器類、古いインドやエジプトその他の骨董品がぎっしりと並べられている。この美術館は絵画の美術館というより、ガードナー夫人が興味をそそられたすべてのものが並べられ、また、夫人が住んでいたころそのままに飾られている。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
関連用語:

Copyright 2006 abc0120 All rights reserved.