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オールブライト=ノックス美術館(アメリカ) 2009年8月8日更新
【和:オールブライト=ノックスびじゅつかん】 |
【英:Albright‐Knox Art Gallery】 |
研究機関|>オールブライト=ノックス美術館(アメリカ) |
ナイアガラの滝に行くのにはバッファローという町が起点になる。このバッファローにオールブライト=ノックス美術館がある。ニューヨークから飛行機で四十分、空港からはタクシーで二十分の距離である。
美術館はギリシャの神殿風の重厚な旧館とモダンな新館とが内部でつながっている。正面玄関でヘンリー・ムアの作品が迎えてくれる。この美術館はアメリカで六番めの美術館として一八六八二年に発足した。まずジョン・オールブライトが、そして一九〇五年に自動車のタイヤで有名なコンガー・グッドイヤーが作品を寄贈し、一九二九年にセイモア・ノックスが新しい展示施設と五百点以上の絵画、彫刻を寄贈した。そうして一九六二年に新館が開館した。このときから、「オールブライト=ノックス・アート・ギャラリー」と命名された。
まず新館から見ていくことにする 作品はエコール・ド・パリから現代美術へと続いていく,モジリア二「召使いの少女」(ー九一八)、スーチン「マキシムのドアボーイ」(ビン几一九一八)、ユトリロの白の時代の「ブルターニュの家」、シャガール「軽わざ師」(一九一四)、「ロシアの村」(一九三五)、ミロも「アルルカンのカー二バル」(一九二四-二五)と「夜の女と鳥」(一九四五』)が飾られていて、共に代表作である。ドイツのフランツ・マルク「狼たち」(一九一三)、キルヒナー「女の肖像」(一九一一)、クレー「苦難から守られた子供」(一九三五)、ヤウレンスキー「スペイン人」(一九〇九)などいずれも素晴らしい。キリコー出発の苦痛」(一九一三-一四)、マグリット「空間の声」(一九二八)、エルンスト「森の年齢」(一九二六)、マッソン「森の中」など幻想派の名品も並んでいる。
また、イサム・ノグチの木彫、ヘンリー・ムアの木彫があり、ブランクーシも置かれている。ここで流政之と新妻実の作品にも出会えた。さらに、現代美術の大作が並んでいる。リキテンシュタイン、ジャスパー・ジョーンズ、ラウシェンバーグ、ローゼンクイスト、ウォーホル、ラリー・リヴァース、アレシンスキーと、代表的な作家の作品が目白押しに並んでいる.
中庭を挟んだ反対側の展示室へ回ると、レジ尺ピカビア、ドローネーなどの作品が並んでいる。デュフィ「モーツァルトヘのオマージュ」(一九二五)、ルソー「花瓶の花」(一九〇九)、ルノワールの「小さな青い裸婦」(一八八〇頃)、ヴュイヤール「画家とその娘】(一九〇三)と続く。スーラは大作「『カンカン踊り』のための習作」(一八八九)があり、私はこの小品の方が大作(クレラー・ミュラー美術館蔵)より好きである。ゴーギャンの一死神がのぞいている」(一八九二)と「黄色のキリスト」(一八八九)は強く印象に残る。ゴッホ「野の花」(一八八八ー八九)、「高い家」(一八八八)といずれも優れた作品である。スーラは小品の『グランド・ジャット島の日曜日口の午後」(アート・インスティチュート・オブ・カゴ蔵)の習作もあり、これもいい。
新館の最後のスベースから旧館の二階に通じていて、ギリシャ風の字間の中にマイヨール、ジャコメッテ、アルプ、カルダーなどニ十世紀の彫刻と一緒に、古代彫刻が置かれていた。
英国の十八世紀の部屋や中川の部屋もある。そこから先の部屋は、それぞれ数カ月ずつ所蔵作品から個展形式で一人の作家の作品だけを一室に飾るという展示方法をとっていて、マチスの部屋、ステラの部屋、タピエスの部屋、クリフォード・スティルの部屋などがあった。なかでもマチスの「音楽」(一九三九)とピカソの「身づくろい」(一九〇六)はこの美術館の目玉ともいえる名品である。ピカソはその他、油彩画五点、パステル画、彫刻、デッサンがあったが、時代的にもバランスがとれ、初期バルセロナ、キュビスム、ばら色の時代、中間、晩年と彼の全体像を見せてくれる。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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