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ミネアポリス・インスティチュート・オブ・アート(アメリカ) 2009年8月9日更新
【和:ミネアポリス・インスティチュート・オブ・アート】 |
【英: The Minneapolis lnstitute of Arts】 |
研究機関|>ミネアポリス・インスティチュート・オブ・アート(アメリカ) |
ミネアポリスはミシシッピー川とミネソタ川に挟まれた町で、湖と公園が多く、ミシシッピー川を挟んだサン・ポールと共にアメリカの発展史の初期を飾ったところである。
ミネアポリス・インスティチュート・オブ・アートは総合的な美術館として一九一四年に誕生した。有志の寄付による基金をもとに作品が収集され、また多くの人たちの寄贈によって豊かなコレクションとなった。建物も一九七四年に子供のための劇場を併設した新館を増築し、ここを人目とした。古い建物は円柱のある荘厳な人目だったが、新館は外敵が白くシンプルでモダンな入口になった。ガラス張りの広いロビーにはインフォメーション・デスクがあり、入場は無料である。建物の左側部分は、劇場となっている。
一階はミュージアム・ショップとコーヒーショップがあり、その奥にアフリカやオセアニア美術、写真百展示場、十八世紀から二十世紀初めのアメリカ美術が飾られている。オキーフが三点あったが、フンティ・ナイト」(一九二六)に好感がもてた。ここにはタマヨの一九三六年作「家族」もあった。
エレベーターで三階へあがる。左の展示室へ入ると一四五〇年から一五五〇年までのオランダ、フレミッシュ、ドイツの画家たちが並んでいる。ルーカス・クラナッハ(父)は三点あったが「葡萄を持つ聖母子」が一番いい。レンブラント「ルクレチア」は悲劇のヒロインがよく描かれている。ヴァン・デ・ヴェルデの風景画もある。
イタリアの十六-十八世紀ではティントレット、カナレット、グァルディがある。ヴェロネーゼやフラ・アンジェリコもあった。エル・グレコの大作は迫力に充ちている。
シャルダンの静物の大作も美しい。ニコラ・プーサン「ゲルマニクスの死」もいい作品である。ゴヤので「ゴヤと医師アリエータ」(一八ニ〇)は暗い画面のうしろに医師が見え、自分の死を予感しているかのようである。コロー「人生の春」(一八七〇)はとても美しい。ミレー「農家」のパステル画もいい。クールベは「森の中の鹿」がある。マネ「煙草を吸う人」はしっかりとしたデッサンカを感じさせる。ミロの「スペインのトランプ」(一九二〇)は楽しい活気のある絵である。レジェ「屋根の上の煙」もいい。ヴラマンクのフォーヴ時代の「青い家」に力強さを感じる。マチスの「蝶網を持つ青年」もコントラストが強い。ドランのフォーヴ時代の大作の青が美しい。マチス「白い羽根」(一九一九)はシンプルな中に強さを感じる。
ドイツではキルヒナー「ダンスの練習」「座る女」がいい。カンディンスキーの一九一〇年の作も素晴らしい。オーストリアではエゴン・シーレ「画家の肖像」が面白い、ムンクは「嫉妬にがある。イギリスのベーコンー法王の習作」に私は不思議な魅力を感じる。デルボー、モンドリアン、シャガール「鳥と詩人」(一九一一)、マグリットとどれもすてきな作品である。 ドガの「オルタンス・ヴァルパンソンの肖像一(一八七一)もよかった。「オリーブの木」もゴッホらしい明るい太陽が輝いている。ゴーギャンは「パンダナスの木の下」のタヒチが美しい。
この階にはフランスやイギリスの、十七-十八世紀の部屋を再現した部屋もあり楽しい。二階へおりると中国美術、日本美術がある。吹き抜けのまわりにはステラの超大作やジム・ダインの大作など現代美術があり、大作ばかり目白押しである。中央が吹き抜けのロビーにはカルダーのモビールをはじめ、たくさんの彫刻が置かれている。レストランは中二階である。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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