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ウオーカー・アート・センタ-(アメリカ) 2009年8月10日更新
【和:ウオーカー・アート・センタ-】 |
【英:Walker Art Center】 |
研究機関|>ウオーカー・アート・センタ-(アメリカ) |
ニューヨークから飛行機で三時間少々で、ミネアポリスに着く。ミシシッピー川と大小の湖に囲まれた自然の中に栄える都市である。この町の中にあるウォーカー・アート・センターとミネアポリス彫刻庭園は、アメリカで注目されているスケールの大きい野心的な美術館の一つになっている。
この美術館のコレクションは現代美術である。ミネアポリスにはもう一つ、ミネアポリス・インスティチュート・オブ・アートもあり、こちらの美術館は古代から近代までのコレクションをもっている。この美術館は煉瓦造りである。広々としたエントランスにはロイ・リキテンシュタインの作品が置いてある。
ロビーに入ると、インフォメーション・デスクとミュージアム・ショップがあり、オリジナル商品を売っている。床も壁も天井も明るく、アメリカ的なシンプルな空間がさわやかである。各階の展示場は大きな階段でつながっているので、アメリカの現代作家をゆっくり見ながら移動することができる。最上階にシンプルなレストランがあり、屋上にはアレクサンダー・カルダーのオブジェが置かれている。そこにはベンチがあり、くつろげるようになっている。
まず、エレベーターで上までのぼり、ゆっくりと見ながら階段でおりるのが一番よい方法のようである。常設展示にはアメリカを代表する現代美術の作家たちが並ぶ。ロバート・ラウシェンバーグ、フランク・ステラ、ジャスパー・ジョーンズ、ジョセフ・コーネル……、前衛的な迫力のある大作が数多くある。ほかには、なじみのあるピカソ、レジェ、ミロも展示されている。また、彫刻も充実している。イサム・ノグチの一九四七年の木彫の作品が印象に残った。 アメリカの現代美術になじみのない人でも、この美術館にいると、いつの間にか作品に親しめてしまう雰囲気がある。ジョージ・シーガルの人物のオブジェも好きになれる、そんな楽しい空間がここにはあった。
ミネアポリス彫刻庭園は、一九八八年にウォーカー・アート・センターの一部として造られた。こちらの庭園は入園無料で、朝六時から深夜まで利用できる市民の憩いの小公園である。ここでは、彫刻やすブジェに直接手を触れることができ、人間が芸術に隔たりなく親しめる。
散策する人、彫刻によじ登ったりして遊んでいる子供たちを見ると、本当に羨ましいかぎりである。この公園の広さも程々で、植木で区画を仕切ってあり、作品が重ならないように工夫がなされている。
クレス・オルデンバーグとブルッゲンとの合作の、横たわるスプーンの先に真っ赤なチェリーがのった大きなオブジェが池の上に浮かんでいる。まわりが噴水になっていて、楽しさもさることながら調和がとれていて非常に美しい。ほかにも、四十数点ほどのヘンリー・ムア、ジャコモ・マンズー、マリノ・マリーニなど、いずれも親しめる作品が揃っている。
ウォーカー・アート・センターはトーマス・B・ウォーカーによって一八七九年に創設され、一九八三年に現在の建物が開館、約千二百点の作品を所蔵している。時代の要求に合っているという点て人気が高く、充分な規模と内容のある美術館である。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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