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セントルイス美術館(アメリカ) 2009年8月10日更新

セントルイス美術館(アメリカ)

【和:セントルイスびじゅつかん
【英:The Saint Louis Art Museum
研究機関|>セントルイス美術館(アメリカ)

 セントルイスの歴史は、一七六九年アメリカ西部への入口として、フランス人が毛皮交易所を開設したことに始まる。その名はフランス国王ルイ九世に由来する。ミシシッピー川とミズーリ川の合流地点に位置し、人口一四〇万の部面である。セントルイス美術館はフォ-リスト・パーク(森林公園)の小高い丘の上にある。一九〇四年の世界博のときに建てられた白亜の建物である。 一八七九年、セントルイス市民クロウが、早世した息子の記念として学校を建て、その一画に美術館を建てた。その後、一九○九年に独立した美術館となった。一九七五年に北側の棟、一九八〇年に南側の棟が増築され現在に至っている。
 中に入ると大理石の床のロビーは広く天井も吹き抜けになっている。リキテンシュタインのブロンズのオブジェ、デビッド・スミスのステンレスのオブジェなどアメリカ現代美術の巨匠たちの作品が、二十世紀初頭の大理石の空間と不思議なハーモニーを生み出している。まず十二世紀フランス、十四世紀イタリアの宗教絵画や彫刻などから始まる。続いてルネッサンスで、イタリア十六世紀の、ティツィアーノ、ジョルジョ・ヴアザーリ、ティントレットなどがある。ここにはエル・グレコの「聖パウロ」がある。ヴァン・デル・ウェイデンの「聖母子」も美しい。ドイツ、オーストリア、ベルギーの十六世紀絵画もある。イギリスの十八世紀絵画では、レイノルズの「男の肖像」が目をひく。オランダ十七世紀絵画では、レンブラント「若い男の肖像」(一六六二)が素晴らしい。
 フランス十八世紀絵画では、シャルダン、フラゴナール、ブーシェなどがある。彫刻の展示室では、ロダン「カレーの市民」や「ヴィクトル・ユーゴー像」、ヘンリー・ムア「フィギュア」の大理石彫刻などが二十体くらい置かれている。十九世紀ヨーロッパ絵画では、ギュスターヴ・モロー「聖セバスティアヌス」、コロー「マンドリンを持つ女」などがいい。ミレー「編み物のレッスン」やファンタン=ラトゥールの二点もよかった。
 フランス印象派と後期印象派の部屋では、まずセザンヌ「水浴をする人たち」が力強いタッチで目をひく。モネ「睡蓮」の大作ほか二点、ドガの踊り子を描いたもの三点、港を描いたスーラの名作が並んでいる。ゴッホの「オーヴェールの葡萄畑」「オーヴェールの階段」はいずれも亡くなる二、三年前の力のこもった作品である。
 二階ヘエレベーターであがると、まずマックス・ベックマンの「町」が迎えてくれる。そしてピカソの「母」(一九〇一)が目をひく。赤ん坊を抱いた母親に子供がしがみついている、とてもすてきな作品である。ヴラマンクのフォーヴ時代の「ル・アーブル」もいい。ブラックの大作「水色のマンドリン」が洒落ている。マチス「ニースの室内」もいい。シュルレアリスムのデルボーの大作やマックス・エルンストの大作が素晴らしい。続いてクレーのすてきな作品が数点あった。イタリアのモランディ、デュビュッフェと個性のある作品が並んでいる。
 ドイツ表現主義では、キルヒナーの大作「曲芸師」、ペヒシュタイン「大きなインド人」、ミュラーの「森の三人娘」などが印象的であった。ミロの名作「立つ裸婦」(一九一八)がある。シャガール「誘惑」(一九一二)は大作で、アダムとイヴをテーマにしているがキュビスム風の描き方で力強い絵である。マチス「亀と水浴」(一九〇八)も大作で、名作「ダンス」に共通した、音楽が静かに流れている感じがする。アメリカの現代美術ではジャスパー・ジョーンズ、ウォーホル、ローゼンクイストなど代表的な作家が次々と登場してくる。
 一階の南側の入口を出ると彫刻庭園で、ヘンリー・ムア、マイヨール、ルノワール、カルダーなどの大きな彫刻が置かれ、そして、この庭園をガラス越しに見るお洒落なレストランかおる。さらにミュージアム・ショップ、図書室、講堂などもある。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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