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コンテンポラリー・ミュージアム・ホノルル(アメリカ) 2009年8月14日更新
【和:コンテンポラリー・ミュージアム・ホノルル】 |
【英:The Contemporary Museum ,Honolulu】 |
研究機関|>コンテンポラリー・ミュージアム・ホノルル(アメリカ) |
ホノルル市街が一望に見渡せるマッキッキ・ハイツにコンテンポラリー・ミュージアムが開館したのは一九八八年十月二十二日のことである。タンクラスの丘の西側にあたるこの高台はホノルルでも指折りの高級住宅地として知られている。
敷地はホノルル・アカデミー・オブ・アーツの建物を寄贈したクック・スポルディング・ファミリーの提供による。建物は一九三五年に最初の部分が完成し、のちに増築されたものである。外見は瓦屋根の平屋建てでこぢんまりとしたたたずまいをみせている。広い庭の向こうには遠くダイヤモンドヘッドに青い海がきらめいている。一九六八年に、スポルディング家から市へ建物が寄贈され、一九七八年までホノルル・アカデミーのアジア・コレクションが公開されていた。
一方「ホノルル・アカデミー」誌の発行者ツィッグ・スミスは一九六一年、ホノルル市街のニュース・ビルディングにコンテンポラリー・アート・センターを創設した。一九八〇年に公的な財団となり、多くの後援者と会員の援助を得て、さらに大きく発展した。このころから、もっと広いスペースでの展示が検討され始め、一九八六年、旧スポルディング邸がその候補に挙がり、二年の歳月と五百万ドルの費用をかけて改装された。
まず、ロバート・グラハムの手によるブロンズの門を入ると、ドアはトニー・ベルラントによる銀、銅、ブロンズを使ったものが取り付けてある。入口右手には百面相に映る鏡が掛けてある。ここからはそのまま庭へつながりハワイ特有のオープン・スベースの開放感にひたることができる。
展示場は一階と一部地下を使って六部屋あり、一階のブリッジから地下を眺められるように工夫されている。床は木で壁は白く、現代美術にマッチしたデザインである。
一階の奥にドアがあり、庭を通って別館に行く。この別館はイギリスの両家で現在アメリカに住んでいるデビッド・ホックニーの小世界になっている。これは、一九八三年にホックニーが六種の舞台装飾の展覧会をして国際的に巡回したものの一つである。「呪いをかけられた子供達」という、一九二五年のラベルのオペラを題材とした作品で、二部屋が使われている。壁も床も天井もおとぎの国のファンタジーそのものである。暖炉、猫、赤い木、グリーンの絨毯が楽しく、座れるオブジェもある。ライトの効果と音楽がファンタジックな雰囲気をつくり、ゆったりと落ち着いた空間になっている。
ホノルルの太陽はギラギラと強いが、このマッキッキ・ハイツの大きな樹々の木陰には、さわやかな風と思いがけない静けさがある。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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