引路菩薩図　2009年12月13日更新

敦煌将来一面
絹本著色
縦80.5横53.8
唐時代(９世紀)
Bodhisattva as Guide of Souls
　両面右上の短冊型に｢引路菩｣と記され，本図を含む一群の作品(大黄博物館２点，ギメー美術館４点)の名称の根拠となっている。右手に柄香炉，左手には白い幡を結んだ蓮華茎を執り，後を振り返る引路菩薩を画面中央に大きく描き，その後方には死者の魂とみられる俯加減の貴婦人が拱手して立っており，二人は種々の花が舞う中を雲に乗って進む。左上の黄色の雲中に建つ浄土に向かうのだろう。如意を思わせるような霊雲，香炉からの煙，火焔頭光，肩にかかる垂髪の表現等，諸所に様式化は認められるものの，引路菩薩・貴婦人ともに華麗な色彩を多用し，柄香炉，宝冠，装身具や頭飾に金箔を使用するなど技法的にも注目される大変保存のよい作品である。出所：大英博物館所蔵日本・中国美術名品展
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