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玉琮 2009年12月18日更新

玉琮

【和:ぎょくそう
【中:Yu zhong
新石器時代|金銀・玉器|>玉琮

一個
高49.5
新石器時代(紀元前2500年頃)
Jade zong.
 まだらな暗茶色と緑色と青味のまざった蛇紋岩製。外形は上へやや開きぎみとなり,その断面は上下端が隅丸方形をなすほかは角をもつ方形を呈する。内形は円筒状に孔が貫通する。方形の角には,2段の突帯文がめぐり,その下に口を表わす長楕円形突帯文が描かれるが,目を表わす円圈文はみられない。これは,江蘇省呉県の草鞋山遺跡1号墓出土の琮にみられる獣言文の簡略化された文様であろう。一つの簡略化獣面文を1段とみなすと全部で19段になり,これだけ段数が多く背の高い琮に珍しい。
 琮には,1段から10段を超えるもの,精緻な獣面文から目さえ省略され,その面影をほとんどとどめないものまであり,その分布は江蘇省,浙江省に多く,広東省北部でも出土が知られている。本品に最もよく似るものとしては,江蘇省武進県の寺墩遺跡3号墓出土品と故宮博物院(台北)の蔵品がある。寺墩遺跡は江南の新石器時代後期の良渚文化に属するので,本品もそのころに位置づけられよう。
 『周礼』春官,大宗伯には「蒼璧礼天,黄琮礼地……」(:蒼璧をもって天に礼し,黄琮をもって地に礼し……)とあり,後漢の鄭玄は「璧の圜なるは天を象り,琮の八方なるは地を象り……」と注釈をつけているように,後代には地を祭る礼各として認識されたらしい。しかし,新石器時代後期にさかのぼってまで同じように使われたかは疑問である。出所:大英博物館所蔵日本・中国美術名品展
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