名称:秋季企画展「近代京都画壇を彩った画家たちーThe Modern Kyoto Paintings」齋田記念館
会期:2021年9月1日(水)〜12月17日(金)
開館時間:午前10時〜午後4時30分(入館は4時まで)
料金:300円 ※各種割引あり
休館日:土曜(但し第四土曜日9/25・10/23、11/27は開館)、日曜、祝日
住所:〒155-0033 東京都世田谷区代田3-23-35
TEL:03-3414-1006
URL:齋田記念館
本展では、齋田家に伝わる明治から昭和にかけて京都画壇を彩った画家たちの作品をご紹介いたします。
円山派の中島来章と、四条派の塩川文麟に学んだ幸野楳嶺を中心に、それに連なる画家たちの作品をお楽しみくださいませ。
中島来章(1796~1871)は、近江国(滋賀県)大津に生まれ、幼少より絵の修行のため京都に移り住み、初め円山応挙門の渡辺南岳に師事し、後に円山応瑞に学ぶ。花鳥、山水、人物画を能くして幕末の円山派を代表する画家となり、その門下からは幸野楳嶺や川端玉章等が出た。 本作には、萩(はぎ)、薄(すすき)、桔梗(ききょう)、藤袴(ふじばかま)、朝顔などの秋草と、その上を飛ぶジョウビタキ、萩の枝に遊ぶシジュウカラ、水辺にたたずむ鴫(しぎ)が描かれる。大作にもかかわらず、柔らかですっきりとした画面からは、ひんやりとした秋の空気が感じられる。
竹内栖鳳(1864〜1942)は、京都生まれで、幼い頃から絵を好み、四条派の幸野楳嶺に入門。明治33年(1900)の渡欧後は、それまでの日本画にない光や空気の表現に挑戦した。栖鳳の開いた画塾・竹杖会には多くの弟子が集い、京都画壇を牽引した。
本作は、霞棚引く穏やかな春の海に漂う小船を描く。この美しく輝く海の青と同じ青を用いた作品は、大正期に集中しており、良質の青の岩絵具を入手した悦びから、それを活かした作品制作に励んだのだろう。東洋の伝統的な縦長の画面に、海を俯瞰し、手前の小船から沖の小船へと、遠近感のある洗練された構図が展開する。
幸野楳嶺(1844~1895)は、本姓安田、名は直豊。京都に生まれ、幼少より画道を志し、九歳で円山派の中島来章に入門して、梅嶺と号した。後に四条派の塩川文麟に学び、楳嶺と改めた。京都府画学校設立に尽力して、同校で教鞭を執り、京都の美術教育を牽引。その門下からは竹内栖鳳や上村松園など、著名な画家を多数輩出した。
本作は、三日月の下に遊ぶ二羽の鶉を描く。水墨に淡い色彩をまじえて、女郎花、薄、葛などの秋の七草、露草、野菊を描き、花の青や紫が随所に散りばめられ、洗練された美しさを放つ。本作には門下の西川桃嶺の箱書きが添う。
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