名称:「生誕110年 香月泰男展」練馬区立美術館
会期:2022年2月6日(日)〜3月27日(日)
開館時間:10:00~18:00 ※入館は17:30まで
料金:一般1,000円、高校・大学生および65~74歳800円、
中学生以下および75歳以上無料、
障害者(一般)500円、障害者(高校・大学生)400円、
団体(一般)800円、団体(高校・大学生)700円
休館日:月曜日(ただし、3月21日(月・祝)は開館、3月22日(火)は休館)
主催:練馬区立美術館(公益財団法人練馬区文化振興協会)
監修:山口県立美術館、香月泰男美術館
企画協力:一般社団法人インディペンデント
住所:〒176-0021東京都練馬区貫井1-36-16
TEL:03-3577-1821
URL:練馬区立美術館
太平洋戦争とシベリア抑留の体験を描いたシベリア・シリーズにより、戦後美術史に大きな足跡を残した香月泰男(1911-74)の画業の全容をたどる回顧展を開催いたします。
山口県三隅村(現・長門市)に生まれた香月泰男は、1931年に東京美術学校に入学し、自身のスタイルの模索をはじめました。
1942年に応召し、復員した1947年以降は、故郷にとどまって身の回りのありふれたものをモチーフに造形的な挑戦を繰り返しました。1950年代後半に黒色と黄土色の重厚な絵肌に到達した香月は、極限状態で感じた苦痛や郷愁、死者への鎮魂の思いをこめて太平洋戦争とシベリア抑留の体験を描き、「シベリアの画家」として評価を確立していきました。
シベリア・シリーズは応召から復員までの主題を時系列にならべて紹介するのが一般的であり、そこではシベリア・シリーズのもつ戦争と抑留の記念碑としての側面が強調されてきたといえるでしょう。しかし、実際の制作の順序は、主題の時系列とはおおきく異なっています。
本展では、シベリア・シリーズを他の作品とあわせて制作順に展示します。
この構成は、一人の画家が戦争のもたらした過酷な体験と向き合い、考え、描き続けた道のりを浮かびあがらせるでしょう。戦争が遠い歴史となり、その肌触りが失われつつある今、自身の「一生のど真中」に戦争があり、その体験を個の視点から二十年以上にわたって描き続けた、「シベリアの画家」香月泰男の創作の軌跡にあらためて迫ります。
香月泰男 略歴
1911年(明治44)10月25日、山口県三隅村(現・長門市)に生まれる。
1931年(昭和6)、東京美術学校西洋画科(現・東京藝術大学)に入学。
1934年(昭和9)、国画会展に《雪降りの山陰風景》が初入選。
1936年(昭和11)、東京美術学校を卒業し、美術教師として北海道倶知安に赴任する。
1938年(昭和13)、山口県下関に転任。
1939年(昭和14)、国画会展に入選した《少年》などで奨学賞を受賞。文部省美術展覧会に《兎》を出品し、特選となる。
1943年(昭和18)、召集令状を受け入隊。満州国興安北省ハイラル市に動員される。
1945年(昭和20)、日本の降伏後、シベリアに移送されクラスノヤルスク地区セーヤ収容所などで抑留生活を送る。
1947年(昭和22)、ナホトカを経由して帰国。のちのシベリア・シリーズ第一作となる《雨〈牛〉》を制作。
1956年(昭和31)、初渡欧。
1960年(昭和35)、山口県立大津高等学校を依願退職。画家活動に専念する。
1967年(昭和42)、シベリア・シリーズ32点を収録した『画集・シベリヤ』(求龍堂)を刊行。画集の刊行を記念し、『香月泰男 戦争・虜囚・愛』展(銀座松屋)開催。
1969年(昭和44)、シベリア・シリーズによって第一回日本芸術大賞(新潮文芸振興会)受賞。
1970年(昭和45)、『私のシベリヤ』(文藝春秋)を刊行。
1974年(昭和49)3月7日、心筋梗塞のため自宅にて逝去。
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