「名取洋之助と土門拳 -社会的写真を求めて-」土門拳記念館

「名取洋之助と土門拳 -社会的写真を求めて-」土門拳記念館

名称:「名取洋之助と土門拳 -社会的写真を求めて-」土門拳記念館
会期:2023年4月6日(木)〜7月9日(日) 
会場:土門拳記念館
観覧料金:当日一般1,200円
休館日:会期中無休
住所:〒998-0055山形県酒田市飯森山2-13(飯森山公園内)
TEL:0234-31-0028
URL:土門拳記念館

名取洋之助と土門拳。日本の写真史を考える上で欠かせない写真家であり、その関係をめぐって様々に語られる両者だが、2人展の形でその活動を振り返る展覧会は今回が初となる。
1910年に東京の裕福な家庭に生まれた名取は、10代でドイツへ留学してデザインを学んだ。ドイツ最大手の新聞社・ウルシュタイン社の契約写真家として活躍したが、ナチスの外国人ジャーナリスト規制によって1933年に日本へ拠点を移し、写真家・木村伊兵衛らと「日本工房」を結成。審美や慰安ではなく、社会を語る〈報道写真〉を日本でも実現しようと様々な試みを行った。
ほどなく脱退した木村らの後に日本工房へ入ったのが土門拳だ。1909年に山形で生まれ、貧しさと闘いながら刻苦勉励していた土門は、弟子入り中の写真館を1935年に飛び出して名取の指導のもとで〈報道写真〉に取り組んだ。情熱と負けじ魂でメキメキと腕を上げ、やがて、1939年にはプロデューサーとしての名取と袂を分かち、自らの写真に邁進していく。
戦争の時代をそれぞれに経て、戦後の名取は写真に語らせる教養文庫である岩波写真文庫の編集長格として活躍し、土門はリアリズムを謳いあげて『ヒロシマ』『筑豊のこどもたち』を世に問いた。敬意を持ちながら反発することもあった両者ですが、それぞれに生涯をかけて社会的写真を探求し続けた。
本展は土門拳記念館の開館40周年を記念した特別展。一般財団法人日本カメラ財団との共催により、同財団が所蔵する名取作品、さらに同館では展示したことのない日本工房時代の土門作品など、貴重な資料を多数紹介。写真が最先端のメディアであった1930年代から激動の時代を経て戦後に至るまで、彼らが求めた写真の在り処を振り返る。

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