片山真理 「CAVERN」Gallery Ether(ギャラリーイーサ)

leave-taking #015 2021 ©Mari Katayama

名称:片山真理 「CAVERN」Gallery Ether(ギャラリーイーサ)
会期:2023年6月6日(火)~2023年6月24日(土)
開館時間:12:00 〜 19:00 (15:00 ~ 16:00 昼休憩)
休館日:月曜日、日曜日、祝日
入場料:無料
会場:Gallery Ether(ギャラリーイーサ)
住所:〒106-0031 東京都港区西麻布3-24-19 山王商会西麻布ビル1F-B1F
TEL:03-6427-2511
URL:Gallery Ether(ギャラリーイーサ)

Calypso #001 2022 ©Mari Katayama
Calypso #001 2022 ©Mari Katayama

GALLERY ETHERでは、2023年6月6日(火)から6月24日(土)の期間にて、片山真理の個展『CAVERN』を開催いたします。
本展は、近年4年間片山が制作してきた〈just one of those things〉、〈leave-taking〉、〈possession〉、新作となる〈Calypso〉、〈study for caryatid〉、ドローイングを中心として構成されます。
片山は、自身で手縫いしたオブジェや、義足などを用いて演出を施したセルフポートレイト、またそれらによるインスタレーション作品を制作してきました。とりわけ、2019年に群馬にアトリエをもってからの4年間、片山は身体と作品の関係性、そしてそれらを取り巻く社会について集中して取り組んできました。この4年間を片山は「洞窟のよう」と語ります。洞窟は、外界との接触が絶たれた空間でもあり、叙事詩『オデュッセウス』の中でカリュプソとオデュッセウスの物語の舞台となる神秘的な空間でもあります。
この洞窟という暗闇の中で、片山は手探りしながら、オブジェとの秘密の関係を作り上げてきました。2011年に始めたハイヒール・プロジェクト の再開とともに制作された〈just one of those things〉(2021)は、社会規範や「正しい身体」に対して、選択肢を増やすこと、諦めて良い自由はないことを私たちに訴えかけてきます。そして〈leave-taking〉(2021)、〈possession〉(2022)では、他者に貼られたラベルと、自分が自身に貼ってきたラベルを「手放す/所有する」という行為そのものを問い直します。ある理想的な身体を作り上げるために用いてきた片山自身の身体とオブジェの関係に問いを投げかけることは、オブジェを通して自己の内側と対話することでもありました。
そして新作〈study for caryatid〉(2023)においては、片山は〈leave-taking〉や〈possession〉において交わされたオブジェ/自己の内側の関係を、より社会の中に位置づけようと試みているのではないでしょうか。本作のタイトルにもなっている「カリアティード」とは、古代ギリシャの神殿建築で、円柱の代わりに梁を支える女性立像を指します。「カリアティード」の像は、天と地の間で懸命に立っているようにも、天と地両方からの鎖でつながれているようにも感じられます。私たちは、手放すにしても所有するにしても、この鎖と共生していかなければなりません。〈study for caryatid〉では、片山の身体は見えない鎖でつながれているのかもしれませんが、その鎖の重みではなく、鎖ともにありながらも自由であることの軽やかさを感じさせます。
カリュプソとオデュッセウスたちの物語を背景に、洞窟のような4年間で紡いできた制作活動の中で彼女自身が作り出した秘密の関係を振り返ります。
*通常義足はハイヒールを履くのに適した足の形状で作られておらず、ハイヒールも義足に耐えうるほどの耐久性を持っていない。片山は義足でハイヒールを履くために、義足の特別な足部を取り寄せ、ハイヒールを製作し、それらを履いて街を歩きステージに立ってきた。

leave-taking #015 2021 ©Mari Katayama
leave-taking #015 2021 ©Mari Katayama

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