赤松加奈「土の声を聞き、風とあそぶ」堀川新文化ビルヂング(株式会社 大垣書店)

赤松加奈「土の声を聞き、風とあそぶ」堀川新文化ビルヂング(株式会社 大垣書店)

名称:赤松加奈「土の声を聞き、風とあそぶ」堀川新文化ビルヂング(株式会社 大垣書店)
会期:2023/05/27(土) 〜 2023/06/18(日)
会場:NEUTRAL(堀川新文化ビルヂング ギャラリー)
   堀川新文化ビルヂング内各所(大垣書店、カフェ&バーSlow Page他)
時間:【2階】10:00~19:00
   【カフェ】8:30~23:00
   【書店】10:00~22:00
休館日:会期中無休
料金:無料
住所:〒602-8242 京都府京都市上京区皀莢町287
TEL:075-431-5551
URL:堀川新文化ビルヂング(株式会社 大垣書店)

堀川新文化ビルヂングの1階・大垣書店やカフェ&バー・Slow Pageの店内、ウインドウ・ディスプレイなど、建物全館で作品を楽しめる展示企画「EXTRA-NEUTRAL」。今回は画家・赤松加奈の個展を開催します。
赤松加奈は、奈良を拠点に農業の傍らで絵画を制作し、高校やフリースクールで子供たちと絵を通した交流を行ってきました。農業風景の中にある生と死、そしておおらかで切実な周囲の人々の姿を描いています。
今回はNEUTRALのギャラリースペースと、堀川新文化ビルヂング館内各所にて作品をお楽しみいただけます。ぜひご高覧ください。
昨年はありがたい機会に恵まれ、春、夏には神奈川県湘南に取材に行き、海を描いた。
飲み込まれたらひとたまりもないなと思うと足がすくむような怖さと、サーファーや自然物から人工物のかけらまで受け入れそこにあり続けるその大きすぎる存在に、胸がドキドキとした。
冬、田んぼの土を掘り出し、その粘土で土器を作り始めた。田んぼから50センチほど掘り進めるとペッタリとした粘土の層が現れた。その土を練り、海岸の砂を洗って混ぜたり、川砂を混ぜたりして、土器を作った。残したい景色を文様にした。私の絵が全て腐ったり、燃えてしまっても、この土器だけ残っていたりして。とワクワクしながら。
流れに乗るがままに、その場でピンときて燃え上がった熱のまま作り、描き、はたと気づいた。
今までの制作では四季で移ろう田んぼの景色や周りの人々の様子、その一瞬一瞬に感動しその情景を描き留めるような思いで制作をしてきた。全ての情景は刹那的なものなのだと思い、描いてきたこの田んぼの情景の少し下には、何十年も何百年もかけたゆっくりとした変化の中でそこにあり続ける景色があったのか。
不思議なことに、私の意識できていないままに、このところ根源的なモチーフや素材に触れてきたみたいだ。
そしてこの秋に私は母になることになった。
母体となった体はコントロールが効かないが、初期に感じたどうしようもない悲しみや、変化に対する不安や戸惑いも徐々に落ち着き、受け入れるしかない、と腹が据わりつつある。
幸いにもつわりは軽く割と穏やかに過ごすことができている一方、「私は今赤ちゃんを育んでいる!」という強い実感はまだあまりなく、いつの間にか子を育むモードに少しずつ体や意思も乗っ取られている感じだ。
検診で見るエコー写真では、卵のような状態から魚のような姿になり、尻尾が消えモグラのような姿になり、人の姿になる、生物の進化のような過程を不思議な気持ちで見ている。
そして自分の体から栄養を与え、あと数ヶ月で子を産み、育てていく。
いつのまにか田んぼの土みたいな役割になっている。
産前最後の個展になってしまった。
テーマが大きすぎてとりとめない展示になってしまうかもれない。
だけど、いい。今を残す。
これから未知の世界に突入しようとしている。(赤松)
赤松加奈
1990年生まれ。2013年京都造形芸術大学美術工芸学科油画コース卒業。2015年京都造形芸術大学大学院芸術表現専攻修了。現在奈良県在住。
https://www.kanaakamatsu.com/
個展
2015「KANA AKAMATSU」galerie16(京都)
2018「真夏の窓辺」フォルテック一級建築士事務所(東京)
2019「新世代への視点 2019 赤松加奈展」コバヤシ画廊(東京)
   「赤松加奈 個展」フォルテック一級建築士事務所(東京)
2021「赤松加奈 展 ここで描く」galerie16(京都)
   「赤松加奈 展 みんなの部屋」喜多美術館(奈良)
グループ展・受賞歴
2012「奈良・町家の芸術祭 HANARART2012」(奈良/’13)
2013「はじまりの部屋」康耀堂美術館(長野)
   「キテ・ミテ中之島2013」京阪電車駅構内(大阪/’13)
2014 ワンダーシード2014:入選
2016「若いクリエーターによる合同展示」The Terminal KYOTO(京都)
2017「銀座アート動物園2017」ギャラリー杉野(東京)
2018「シェル美術賞2018」:入選
   「FACE2018」:損保ジャパン日本興亜美術賞、審査員特別賞
2019「群馬青年ビエンナーレ2019」群馬県立近代美術館(群馬):大賞
   「MESSAGE 2019」コバヤシ画廊(東京/’20、’21)
2020「小さな絵と小さなおうちと小さな木のもの展」和詩倶楽部 柳小路店 特設ギャラリー(京都)
2021「第28回心に響く小品展」ギャラリーヒルゲート(京都)
2022「奈良・町家の芸術祭 HANAART 2021 ArtShop」Art-Space TARN(奈良)
   「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2022」(京都)
   「川村悦子&田島悦子 展-華と夢-」ギャラリー恵風(京都)
   「奈良・町家の芸術祭 HANAART 2022 こあ」「今から、生まれる」旧荒木邸(奈良)
   「テラスアート湘南2022」テラスモール湘南(神奈川)
パブリックコレクション
群馬県立近代美術館

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ページ上部へ戻る