飯川雄大 「デコレータークラブ:未来のための定規と縄」鹿児島県霧島アートの森

飯川雄大 「デコレータークラブ:未来のための定規と縄」鹿児島県霧島アートの森

名称:飯川雄大 「デコレータークラブ:未来のための定規と縄」鹿児島県霧島アートの森
会期:2023年7月14日(金)~2023年9月10日(日)
開館時間:9:00 〜 17:00
休館日:月曜日 月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館
   7月31日・8月14日は開館
入場料:一般 1200円、大学生・高校生 800円、中学生・小学生 600円
会場:鹿児島県霧島アートの森
住所:〒899-6201鹿児島県姶良郡湧水町木場6340-220
TEL:0995-74-5945
URL:鹿児島県霧島アートの森

《デコレータークラブ—ピンクの猫の小林さん》2022年
《デコレータークラブ—ピンクの猫の小林さん》2022年

この度、霧島アートの森では、鑑賞者が作品に能動的に関わることで変容していく物や空間が、別の場所で同時に起きる事象と繋がっているインスタレーション《0人もしくは1人以上の観客に向けて》(2019–) といった、関わる者の思考を誘発させるような作品を制作してきた美術家・飯川雄大(1981–)の個展を開催いたします。
タイトルの〈デコレータークラブ〉は2007年から継続しているシリーズの作品で、世界中の海に生息し、周辺の環境に合わせて海藻や小石を身につけて姿を変える蟹(Decorator Crab)から着想した名前です。かねてより飯川は、この擬態する蟹を発想の原点に、何かわからないものを見つけた時の驚きを他者に伝えることの難しさや、それと関係なく生まれた解釈、思いもよらぬ誤解をポジティブに捉え、制作してきました。認識と現実の間にあるズレを可視化しながら、その場と鑑賞者の関係を扱った新たな体験を提案します。
本展「デコレータークラブ:未来のための定規と縄」では、定規と縄をモチーフに新作を発表します。一見、遊びにも思える鑑賞者の身体的行為を取り込み、展示室だけでなく野外広場へと繋がる大規模なインスタレーションを展開。本美術館が開館して以来はじめての試みに挑みます。また、誰かの忘れ物かのような《ベリーヘビーバッグ》(2010–) や、全貌を捉えることのできない大きな彫刻《ピンクの猫の小林さん》(2016–)など、飯川が継続して発表しているユーモアと洞察に満ちた作品も織り交ぜます。コミュニケーションの不完全さや、遅れてやってくる「合点」に着目した飯川の作品は、一つの「できごと」の背後に広がっている多様な可能性や視点を想像するきっかけとなるでしょう。

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