名称:「華邨の書に学ぶ―かな作品を臨書する①細字を中心に―」奈良市杉岡華邨書道美術館
会期:2024年1月13日(土)〜4月14日(日)
会場:奈良市杉岡華邨書道美術館
開館時間:午前9時から午後5時まで(入館は4時30分まで)
料金:一般300円 団体(20名以上)240円
高校生以下と身体障害者手帳、療育手帳又は精神障害者保健福祉手帳の所持者及びその介護者、奈良市在住の70歳以上の方は無料
休館日:月曜日(祝日の場合最も近い平日)、祝日の翌日(その日が平日である場合)。
住所:〒630-8337 奈良市脇戸町3番地
TEL:0742-24-4111
URL:奈良市杉岡華邨書道美術館
杉岡華邨はかつて「雪を頂く霊峰富士を見て、あっと息をのむ思いで見とれることがある。絵心のある人はその時の富士山の印象を絵に画くことが出来るが、その体験から『富士山』と言う美しい書は生まれない。それは、絵画的体験をしているからであり、美しい書を表現しようと思えば、美しい書を鑑賞したり臨書(古典や手本を見ながら書くこと)して、書的体験を豊かにする以外に方法はない」と語っています。
学書の基本となる臨書は手本をただ臨模するのではなく、その作品の美に感動し、その美を再現すべくその作品の線はいかなる線か、その線と線の構成がいかになされているかを探求する作業であり、自己を捨てて無心になり、その古筆の形・線質・線情・筆意・運筆(リズム)・用筆(筆の開閉、抑揚、捻転)など、すべてを模倣することが重要となります。我儘勝手な臨書をしてもその古筆の書的体験をしたことにはならず、対象の古典を愛しその美に没入し感動しながら臨書している自覚は、一種の創造作用と言えます。すなわち臨書とは「臨書対象の中に見い出した美を再現する主体的な行為」であると華邨は考え、それにより育まれる書的地盤を豊かにすることが重要であると説きました。
華邨は美学などを学び、その作品の基礎には確かな技術に裏打ちされた論理的な造形があります。そうした造形理論が明確に表現された作品がある一方で、精緻な論理を内包しつつも理屈や技術を超えた華邨の全人格が表出した書もあります。そう言った作品は華邨の魅力をいかんなく感じさせる名作といえども、臨書による学書の対象とするには極めて難解なものとなります。
本展では、華邨の書作品からその制作論、造形理論を学ぶ際に、臨書の手本とすべき作品を集めて紹介します。かな書を学ぶ方の道標として、またかな書を鑑賞する際の手掛かりとして、華邨作品をご堪能頂けると幸いです。
(出展作品/杉岡華邨作品 22点)
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