小企画展「西洋版画を視る—リトグラフ:石版からひろがるイメージ」国立西洋美術館館

エドゥアール・マネ 《プルチネッラ》 1874年 カラー・リトグラフ、ウォーヴ紙

名称:小企画展「西洋版画を視る—リトグラフ:石版からひろがるイメージ」国立西洋美術館館
会期:2024年6月11日(火)〜9月1日(日)
会場:国立西洋美術館 版画素描展示室(常設展示室内)
住所:東京都台東区上野公園7-7
開館時間:9:30~17:30(金・土曜日は20:00閉館)
   ※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(7月15日(月・祝)、8月12日(月・振)・13日(火)は開館)、7月16日(火)
観覧料:一般 500円(400円)、大学生 250円(200円)
   ※本展は、企画展「内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙」(会期:6月11日(火)~8月25日(日))の観覧当日にかぎり、同展観覧券でも観覧可
   ※( )内は20名以上の団体料金(要予約)
   ※高校生以下・18歳未満、65歳以上、心身障害者および付添者1名は無料(入館の際に証明できるものを要提示)
   ※7月14日(日)、8月11日(日)、9月1日(日)の「Kawasaki Free Sunday」は、本展および常設展の観覧無料
住所:〒110-0007  東京都台東区上野公園7番7号
TEL:050-5541-8600
URL:国立西洋美術館

オディロン・ルドン
《キリスト》
1887年 リトグラフ、チャイナ紙
オディロン・ルドン 《キリスト》 1887年 リトグラフ、チャイナ紙

「西洋版画を視る」シリーズでは、これまで西洋版画のおもな技法に焦点を当て、その制作方法や特有の表現を紹介してきました。3回目となる本展では、「リトグラフ(石版画)」を取り上げます。
リトグラフの「リト(litho)」は、ギリシャ語で「石」を意味するlithosが語源となっています。1798年頃にドイツの劇作家アロイス・ゼネフェルダーによって発明されたこの技法は、当初から版材として石灰石が使われていたため、この名称が一般的になりました。リトグラフで重要となるのは、水と油が互いに反発しあう性質を利用する点です。木版画、エングレーヴィング、エッチングなどの技法では、彫ったり削ったり、酸で腐蝕させたりして版に凹凸をつけますが、リトグラフは、石の上に図柄を描き、化学処理を施すことで、平らな版から印刷できることが大きな特徴です。この新たな方法は、19世紀のヨーロッパにおいて、楽譜や地図、出版物など実用的な印刷や複製技術として活用される一方、自由な描画が可能なことから、多くの画家たちが試みるようになり、芸術的な版画の技法としてフランスを中心にまたたく間に広まります。
本展では、発祥の地ドイツから各国への伝播を伝える初期の作例や、リトグラフの大衆化に寄与したドーミエのカリカチュア、マネやルドンらによる様々な試み、そして世紀末に隆盛を極めた多色刷りのポスターにいたるまで、19世紀におけるリトグラフの歴史と表現の展開を、およそ40点の作品を通して見ていきます。あわせて、リトグラフの制作工程の一例を示し、この技法の原理を紹介するコーナーを設けます。リトグラフならではの描写に注目しながらその歴史を辿り、各作品をじっくりと「視る」ことで、その多様で豊かな表現をお楽しみいただけたら幸いです。

フェルディナント・オリヴィエ
〈ザルツブルクとベルヒテスガーデンの7つの地方 一週間の7日に合わせて〉より《月曜:ザルツブルク手前のローゼネッカーガルテン》
1818/23年 リトグラフ
フェルディナント・オリヴィエ 〈ザルツブルクとベルヒテスガーデンの7つの地方 一週間の7日に合わせて〉より《月曜:ザルツブルク手前のローゼネッカーガルテン》 1818/23年 リトグラフ
オノレ・ドーミエ
《誘惑》
1835年 リトグラフ
オノレ・ドーミエ 《誘惑》 1835年 リトグラフ
ジュール・シェレ
《フォリー・ベルジェールのポスター:ロイ・フラー》
1893年 カラー・リトグラフ
ジュール・シェレ 《フォリー・ベルジェールのポスター:ロイ・フラー》 1893年 カラー・リトグラフ
ピエール・ボナール
〈パリの生活情景〉より《夕べ、雨の街》
1899年 カラー・リトグラフ
ピエール・ボナール 〈パリの生活情景〉より《夕べ、雨の街》 1899年 カラー・リトグラフ
エドゥアール・マネ 《プルチネッラ》 1874年 カラー・リトグラフ、ウォーヴ紙
エドゥアール・マネ 《プルチネッラ》 1874年 カラー・リトグラフ、ウォーヴ紙

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