アンディ・チャオ 「SIREN」DRELLA Art Gallery

アンディ・チャオ 「SIREN」DRELLA Art Gallery

名称:アンディ・チャオ 「SIREN」DRELLA Art Gallery
会期:2024年6月15日(土)〜2024年6月23日(日)
会場:DRELLA Art Gallery(ドレラ・アートギャラリー)
開館時間:12:00 〜 19:00
オープニングパーティー:2024年6月15日(土) 18:00 から 23:00 まで
入場料:無料
住所:〒150-0034 東京都渋谷区代官山町15-10 Grove 代官山1F
URL:DRELLA Art Gallery

今回の展示では、否認、苛立ち、葛藤、不安を経たのちに受容へと到るという、実存的不安の解決において決定的に重要な各局面からなる道筋が描き出されている。伝説上の生き物であり、その素晴らしい美貌により無数の船乗りを破滅の運命へと誘い込んでいくセイレーンの神話が、今回のプロジェクトでは「きらびやかさ」についてのたとえ話として用いられている。
この古典的神話と水との結びつきは、人生における実存的な闘いを象徴している。すなわち、人間の疎外があり、崇高であると同時に恐ろしくもある世界というものの本質が示され、洗礼と浄化がなされ、そして平安を得るためには世界に対して本当の自分を曝さねばならないのだという気づきに到るのだ。この清らかさへの道筋の中心にあるのは「真正性」であり、それはつまりは、行動と信念を一致させようという苦闘である。
チャオ氏の写真のなかで、渡辺氏は、きらびやかなライフスタイルを維持し続けることが実現しようのない試みだと悟ったのちに、純朴であった自らの原点への回帰を求める主役を演じている。自分というものを取り戻すための苦闘において、彼女は内面における葛藤、絶望、そしてそんなものは見る者に押しつけてしまいたいという欲望に向き合う。だが、時間とは一方向にしか進まないことを受け入れると、我らが主人公は私たちを取り巻く世界の純朴さ、素晴らしさ、美しさに気づき、心の内に平安を見出すのである。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「コレクションが出会う道東(ばしょ)」神田日勝記念美術館
  2. 「生きている野菜/森のおくりもの いわさゆうこ絵本原画展」アンフォルメル中川村美術館
  3. 「収蔵優品展 生誕160年近藤雪竹の周辺」成田山書道美術館
ページ上部へ戻る