
名称:「Keith Haring: Arching Lines 人をつなぐアーチ」中村キース・ヘリング美術館
会期:2025年6月07日~2026年5月17日
会場:中村キース・ヘリング美術館
開館時間:9:00-17:00(最終入館16:30)
休館日:定期休館日はありません。
展示替えなど臨時休館については開館カレンダー(https://www.nakamura-haring.com/visit/)を確認してください。
観覧料:一般 1,500円
障がい者⼿帳等提⽰ 600円(ご同⾏者1名同料⾦)
16歳以上の学生 800円
小人(15歳以下)無料
上記料金は、いずれも消費税込みです。
割引の適用には身分証明書の提示が必要です。。
住所:〒408-0044山梨県北杜市小淵沢町10249-7
TEL:0551-36-8712
URL:中村キース・ヘリング美術館
今年、没後35年を迎えたキース・ヘリング(1958–1990)。彼の作品やグッズは、今なお人々を楽しませ、勇気づける存在として社会に生き続けています。当館が新たに収蔵する《無題(アーチ状の黄色いフィギュア)》を記念して開催する本展では、ヘリングの彫刻に焦点を当て、独自の美学と哲学に基づく造形表現をご紹介します。
幼少期から絵を描き始めたヘリングは、ウォルト・ディズニーやドクター・スースを手本にしたドローイングを経て、やがて独自の記号的表現を確立しました。そして1980年、ニューヨークの地下鉄で展開した「サブウェイ・ドローイング」によって、アートを媒介とした大衆との直接的なコミュニケーションの可能性を確信します。その後、世界各地での壁画制作、アートを多くの人々に届けることを目的とした「ポップショップ」の展開、社会的メッセージを発信する活動など、従来のアーティストの枠にとらわれないプロジェクトを次々に実現しました。その中でも、ヘリングの作品が持つ公共性を象徴するのが彫刻です。
1985年、ヘリングはロバート・インディアナやドナルド・ジャッドなど名だたるアーティストたちの彫刻制作を手助けした米国コネチカット州リッピンコット社でスチール製の彫刻を制作しました。その背景には、所属画廊のオーナーであるトニー・シャフラジの「君のアルファベットを風景の中に、現実の世界に置いてみたらどうだ?」という提案がありました。レオ・キャステリ・ギャラリーにおいて自身初となる彫刻作品を発表したのち、翌年にはドイツの鋳造所でも作品を制作。1987年には国際的な芸術祭「ミュンスター彫刻プロジェクト」にも出品を果たしました。
彼の彫刻は、切り取られた描線が時に水平垂直に組み合わされ、時に伸びやかに広がることでモチーフを形作り、空間を驚きや楽しさ、癒しの場へと変容させます。その造形には、美術史に残るアーティストをはじめとした偉大な先人たちに学んだ哲学に裏付けられた美しさが宿っています。線から面へ、面から立体へと展開するヘリングの造形表現を辿ることで、表現の先にある人々への思いを体感できることでしょう。
すべての創作はいわば永遠の生命への問いかけだ。制作とはある意味、異なる生命の創造だから。それは呼吸することに頼らなくても生きていける、誰よりも長く生きることのできるもの。考えるに、その異なる次元の生命に自分の生命を拡張するということ。
ーキース・ヘリング、1988年
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