ジュヴァナ・ソリヴァン「Safe Passage」LOAF- Laboratory of Art and Form
- 2024/1/9
- 京都府
- LOAF- Laboratory of Art and Form, アメリカ, イタリア, インテリア, ジュヴァナ・ソリヴァン, ハワイ大学, 取り組み
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名称:ジュヴァナ・ソリヴァン「Safe Passage」LOAF- Laboratory of Art and Form
会期:2023/12/16(土) 〜 2024/02/11(日)
会場:LOAF- Laboratory of Art and Form
時間:【水・木曜日】アポイント制
【金・土・日】14:00~19:00
休館日:月・火曜日
料金:無料
住所:〒602-8034 京都府京都市上京区米屋町286-13
URL:LOAF- Laboratory of Art and Form
ジェンダーの不平等、労働、性の格差をテーマにした作品を手掛けるアメリカ出身のビジュアルアーティスト、ジュヴァナ・ソリヴェンの個展です。金属細工を主体としたオブジェ作品を主体に展開します。
全体がピンク色でベルベットや柔らかい素材を使ったオブジェが並ぶジュヴァナ・ソリヴァンの今回の展覧会は、一見すると女の子は好きそうな可愛らしいものばかりに見える。
しかし、いったい誰が女の子はピンク色が好きだと決めたのだろう。 女性の色はピンク、男性はブルーといった色による性別分けは、公共トイレのサインの色使いに始まり、学校のランドセルや文房具、洋服やインテリアに至るまで広く行き渡っている。
それでは、なぜそのような社会の中での性の分離が必要なのか。 それが安全な道であるべきだと考えられているから、とジュヴァナ・ソリヴェンは答える。 女性や同じく男性も、生まれた瞬間から性別に基づく異なる色の絨毯の上を歩かされている。しかしその多くは、同じ性別の人々が同じ経路を歩むことに疑問を抱かない。地下鉄の女性専用車や喫茶店の女性優先席は、女性たちをハラスメントや性的暴力から守ると公言する一方で、女性を男性から見て弱い存在と位置づけ、社会に強調している。このような取り組み方は、社会が弱者を保護しているという誤った印象を与え、それが結果的にジェンダーの不平等を助長する可能性がある。
この社会の固定概念に対して女性たちは単に守られた安全な経路を集団で歩いているだけでいいのだろうか。この、一見安全とみなされている経路が暴力の根本的な絶滅や男女の真の平等を妨げることにもなりかねないのではないか、とソリヴェンは続ける。
ジュヴァナ・ソリヴェンはアメリカ出身のビジュアルアーティストであり、教育者である。 彼女は「親密さ、労働、性の格差」といったテーマに焦点を当てて作品を制作している。ソリヴェンは、一般に固定されたイメージや慣習、概念の言語を、彼女が制作するオブジェを通して新たな意味に変容させている。彼女の作品の観賞者は、これまでの慣習やステレオタイプな期待に疑問を抱き、これらの問題を新しい視点から再考するように促される。
ソリヴァンには、自ら針金を一つ一つ曲げて作った一連の鎖かたびらの作品がある。 彼女はその鎖かたびらの作品についてこう述べている。
「女性の強さと脆弱性のバランスに関して、私は鎖かたびらの特性に疑問を投げかけ、挑戦します。この鎧は布地や皮膚の行動特性を備え体に合わせて保護しますが、結局のところ、それらには穴が空いており浸透可能な構造です。これらの作品は、女性が男性優位の社会で立ち向かう不安定さを反映し、持続するために必要な粘り強さを考えさせます。私は、女性が自分を守るためにどれだけの努力をしなければならないかについて考えます。それは、彼女らの美徳が男性の評判よりも低く評価される社会での問題です。身体的および感情的なトラウマ、女性がさまざまな状況や場所で直面する性別に基づく期待や制約、振る舞い方、女性が性的な被害に遭うときに貶められ、虐待者を指摘すると「クラウトチェイサー」と非難されることを考えます。女性たちの自分を守る努力が逆に自分を攻撃し、傷つけることになってしまうのはどの時点からなのでしょうか。」
ソリヴェンは女性が性的被害に遭った時に虐待者を指摘すると目立ちたがり屋とか誤った手段を使って注目を浴びようとする行動と逆に社会から非難される、このような自らの権利を主張する際に女性が直面する偏見や非難に作品を通して疑問を投げかけている。
ジュヴァナ・ソリヴェン
アメリカ合衆国出身。2012年イタリア・フィレンツェのロレンツォ・デ・メディチ国際学校で美術修復と保存を学ぶ。その後2013年にはハワイ大学マノア校で彫刻の学士号(BFA)、2016年にクランブルック美術アカデミーで金属細工の修士号(MFA)を取得。現在、ハワイ大学マノア校芸術・芸術史学科講師、ホノルルのシャミナッド大学美術学科非常勤教授を務める。
作品は個人蔵の他、クランブルック美術館、ホノルル美術館、ハワイ州文化芸術基金コレクションに収蔵。アメリカの他、オランダ、ドイツ、アイスランド、メキシコ、チリなど世界各地で作品展を開催、国際的に高い評価を受けている。
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