大森記詩展「SCALESCAPE:ホビー/アート/ジャパン」田川市美術館

  • 2025/9/3
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大森記詩展「SCALESCAPE:ホビー/アート/ジャパン」田川市美術館

名称:大森記詩展「SCALESCAPE:ホビー/アート/ジャパン」田川市美術館
会期:2025年9月13日(土)〜10月12日(日) 
会場:田川市美術館
観覧料金:一般800円ほか
休館日:月曜日(9月15日は開館)、9月16日
住所:〒825-0016 福岡県田川市新町11-56
Tel :0947-42-6161
URL:田川市美術館

彫刻家であり、プロモデラ―としても活躍する大森記詩(1990~)は、主に「断片性」を有する素材に着目しながら、私たちを取り巻く物体や事象のスケール感に対するルーツや変性をテーマにした彫刻作品を制作してきた。
大森は航空機を想起させる形状や、シッピングコンテナなど、社会情勢や経済活動を大きく左右する現代世界を規格化しているともいえる工業プロダクトと、関連する充填剤や塗装の下地処理用の中塗材といった工業材料を組み合わせた作品を多く手がけている。また、自身の制作ルーツのひとつであるプラスチックモデルのパーツを、モチーフの縮小再現のために分割されている「架空の断片」と捉え、それらのアッサンブラージュ(組合せ)によるオブジェから、これを原型として焼失鋳造させたブロンズなどにも取り組んでいる。
現実と架空、実在と非実在の境界が曖昧となり、多様化、複雑化する現在の世界を認識するために、大森はモチーフを断片として再構成し、縮尺を変化させた彫刻を制作。物理的サイズ、概念的なスケールという視点を伴ったそれら作品を「スケールスケープ」と称している。
さらに大森は、様々なプラスチックモデルパーツを組み合わせたSFメカニックも精力的に制作。往年のSF特撮映画の撮影モデル製作手法から派生したキットバッシング/ミキシングビルドによるモデリングの造形に魅せられてきた大森は、月刊『ホビージャパン』で同手法による作品「MIXINGSCAPE(ミキシングスケープ)」を連載し、高い評価を受けている。
アートとホビーの領域をシームレスに横断しながら、現代社会や文化を支える構造と特質を顕在化させる大森の、ユニークな眼差しと手の巧みな所作を存分に楽しんでほしい。

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