蔡耀東「香港ピーク大怪獣」Victoria 1842

蔡耀東「香港ピーク大怪獣」Victoria 1842

名称:蔡耀東「香港ピーク大怪獣」Victoria 1842
会期:2025年11月8日(土)〜2025年12月7日(日)
会場:Victoria 1842
開館時間:12:00〜18:00(金曜日は14:00〜20:00)
休館日:月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、祝日
入場料:無料
住所:〒162-0841 東京都新宿区払方町15-10
URL:Victoria 1842

概要:
本展「香港ピーク大怪獣」は、香港を拠点に活動するアーティスト・イラストレーターの蔡耀東(Terence Choi)による最新個展であり、自然・文化・想像が融合する独自のビジュアル表現を通して、現代アジアの風景と心象を描き出す試みである。
蔡は幼少期より日本の怪獣文化に影響を受け、都市と自然、現実と幻想の狭間に生きる生き物たちを描いてきた。2016年からは香港の山々を主題とする《香港山峰》シリーズを開始し、300を超える山とその伝承・風景・神話からインスピレーションを得てきた。彼にとって山は単なる地形ではなく、都市の喧騒と対照的な「もうひとつの香港」を象徴する存在である。

2019年の社会運動、2020年のパンデミックを経て、蔡は友人たちと香港の山々を歩きながら、変化する自然と人間の関係を見つめ直した。黒と白の墨、金箔を用い、海抜300メートルを超える163の山を一つひとつ描いたシリーズは、2022年の初個展で高い評価を受けた。

今回の東京展《香港ピーク大怪獣》では、《香港山峰》をさらに発展させ、日本文化の象徴である富士山や昭和期の怪獣アニメの造形を取り入れた新シリーズを発表する。富士の静謐と香港の熱気、自然の雄大さと都市の人工性、そして怪獣という想像力の象徴がひとつの画面で融合し、地理と心象、現実と神話が交錯する詩的な世界が広がる。

本展は、蔡耀東にとって「東アジアにおける風景と記憶の再構築」を主題とする新たな挑戦であり、山という存在を通して、都市に生きる人間が失いつつある自然との共感を取り戻すための芸術的対話の場でもある。

作家略歴:
【蔡耀東(さい ようとう/Terence Choi)】
香港出身のアーティスト、イラストレーター。幼少期より日本の怪獣映画とアニメに親しみ、幻想的な生き物や風景を主題とする作品を制作。2016年より《香港山峰》シリーズを開始し、墨と金箔を用いた独自の絵画表現で注目を集める。2022年に香港で初個展を開催。以降、香港、台湾、日本などで活動を展開。都市と自然、伝統とポップカルチャーを交差させる独自の視点で、アジア的精神の新しい表現を模索している。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 山田和 個展「得体の知れないエネルギー、カオスの時代―桃山サンバ」桃青京都ギャラリー
  2. 「昭和のホーロー看板展」アドミュージアム東京
  3. 「第27回市民作品展」天童市美術館
ページ上部へ戻る