「細雪~日常への憧憬(オマージュ)~」芦屋市谷崎潤一郎記念館

「細雪~日常への憧憬(オマージュ)~」芦屋市谷崎潤一郎記念館

名称:「細雪~日常への憧憬(オマージュ)~」芦屋市谷崎潤一郎記念館
会期:2021年09月11日~2021年12月05日
開催時間:午前10時~午後5時。月曜休館
開催場所:芦屋市谷崎潤一郎記念館
料金:一般500円、大学、高校生300円、中学生以下無料
住所:〒659-0052兵庫県芦屋市伊勢町12-15
TEL:0797-23-5852
URL:芦屋市谷崎潤一郎記念館

谷崎の一家全員が楽しみにしていた花見の記念写真=芦屋市伊勢町、谷崎潤一郎記念館
谷崎の一家全員が楽しみにしていた花見の記念写真=芦屋市伊勢町、谷崎潤一郎記念館
実際に谷崎が書いた書簡の一部=芦屋市伊勢町、谷崎潤一郎記念館
実際に谷崎が書いた書簡の一部=芦屋市伊勢町、谷崎潤一郎記念館
「細雪~日常への憧憬(オマージュ)~」芦屋市谷崎潤一郎記念館
「細雪~日常への憧憬(オマージュ)~」芦屋市谷崎潤一郎記念館

  文豪谷崎潤一郎の代表作「細雪」。そこで描かれるのは、昭和10年代の阪神間に生きる市民の、教養と財産と伝統そしてとりわけ女たちの艶やかな存在感に裏打ちされた、 豊かで美しくおだやかな日常です。それは、当時の谷崎一家の生活の記録でもあり、文豪がこよなく愛した暮らしであったに違いありません。
  作品では、春夏秋冬の不変の自然の循環に織り込まれつつ、家族の日々の時間が流れてゆきます。変わらぬ春のめぐりとともに訪れる花見の春はしかし、 一家にとっては年ごとに違う春なのです。日常の時間の流れは、その生活を徐々に変えてゆくのでした。 それは、家族として親しんだ懐かしい生活世界がうしなわれてゆく過程でもあったのです。
  「細雪」の頃はまた、戦争の暗く速い流れが、世の中を覆っていった時代でもありました。その時流にあらがうでもなくのみ込まれるでもなく、 一家の豊かでおだやかな日常は、みずからの喪失のリズムをゆるやかに刻んでゆくようにみえます。
  この上もなく細やかに描き込まれてゆく、なにげなくも美しく愛おしい日々。文豪が、その至高の筆致で惜しみつつ書きとどめた、うしなわれゆきつつある生活世界へご案内しましょう。

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