「2021年度 第3回コレクション展」京都国立近代美術館

「2021年度 第3回コレクション展」京都国立近代美術館

名称:「2021年度 第3回コレクション展」京都国立近代美術館
会期:2021年9月2日(木)~11月7日
開館時間:午前9時30分~午後5時 ※ただし金、土曜日は午後8時まで開館
観覧料:
  一般 :430円(220円)
  大学生:130円(70円)
  高校生、18歳未満、65歳以上:無料
  ※( )内は20名以上の団体
住所:〒606-8344京都府京都市左京区岡崎円勝寺町
TEL:075-761-4111
URL:京都国立近代美術館

西洋近代美術作品選

 当館所蔵・寄託の西洋近代美術の優品を紹介するコーナーです。今回は、様々な船が停泊する水辺の風景をご覧いただきます。
 ウジェーヌ・ブーダンは、近代化に伴い漁師町から都会の人々の避暑地へと変貌を遂げた海辺の風景を描いて、海景画における新たな分野を開拓しただけではなく、海や空の変化する光を捉えるために戸外での制作を基本とし、その自然描写がモネなど印象派の画家たちに大きな影響を与えました。本作品は、1870-71年に普仏戦争を避けて滞在していたベルギーで制作されました。

明治・大正時代の日本画

川端玉章《玉川鵜飼図》
川端玉章《玉川鵜飼図》

明治維新により京都の画家は大きな苦境に立たされました。首都機能や皇室の拠点が東京へと移ったため、京都の経済を支えた人たちも東京へと移ってしまい、日本画の注文は激減しました。当時は日本の工芸品に世界からの注目が集まっていたこともあり、画家たちは工芸品の図案に新たな制作の場を見出し、浅井忠のように図案の発展に精力を注いだ者もいました。ただし、文人画はこの限りではなく、明治政府の官僚や知識人たちが漢学の素養を持っており、文人画を好んだため、新しい時代になっても幕末からの人気が続きました。明治前期の日本画は、江戸時代から受け継がれた画題や作風のものが多く、後期になると西洋画を咀嚼した新たな表現が見られるようになります。

見出された時間:写真コレクションより

ヴェルナー・ビショフ《境内の神官たち、明治神宮》1952年
ヴェルナー・ビショフ《境内の神官たち、明治神宮》1952年

 19世紀前半、イギリスの科学者ウィリアム・ヘンリー・フォックス・トルボットは、イタリアのコモ湖畔を訪れた際、カメラ・ルシダを使って美しい風景をスケッチしようとしたものの満足できず、投影画像を紙面に刻み付ける方法を求めて、カロタイプという写真術を発明するに至ります。ヨーロッパで発明された写真術は記録・表現メディアとして、社会や日常生活へと急速に浸透していきました。たとえドローイングの心得のない者でも、心をゆさぶる風景や珍しい事物、親しい家族や友人の姿、あるいは運動や時間といった不可視のものを記録する手段を手に入れたのです。

明治の工芸

迎田秋悦《山海四季蒔絵重箱》明治後期-昭和前期
迎田秋悦《山海四季蒔絵重箱》明治後期-昭和前期
作者不詳《北極熊図壁掛》明治時代
作者不詳《北極熊図壁掛》明治時代

 明治の工芸は近年、「超絶技巧」というキャッチコピーで語られ、急激に人気が高まっています。確かにそれらの作品は緻密で細密な装飾性、実物そっくりの迫真性を有しており、工人たちの感性と技量には驚かざるを得ません。しかし明治工芸は長年、美術史においてほとんど顧みられることがなかったものです。

川勝コレクション 河井寛次郎作品選

河井寬次郎《辰砂菱花文鉢(辰砂抜絵鉢)》1941年
河井寬次郎《辰砂菱花文鉢(辰砂抜絵鉢)》1941年

川勝コレクションは、昭和12年(1937)のパリ万国博覧会グランプリ作品を含む、質、量ともに最も充実した河井寬次郎作品のパブリック・コレクションです。
 川勝コレクションが当館に寄贈されたのは、昭和43年(1968)のことです。当館への寄贈にあたっては、部屋一面に並べられた膨大な作品群の中から「お好みのものを何点でも」との川勝の申し出に従って415点が選ばれました。

明治の光景

山田馬介《陽だまり》明治後期頃
山田馬介《陽だまり》明治後期頃

当館3階の企画展示室では9月7日から10月31日まで「発見された日本の風景」と題する展覧会を開催します。これは、英国をはじめ西洋諸国から明治の日本に旅行した画家たちが、当時の日本の風景や風俗を描いた作品を、同時代の日本人画家たちが同じように描いた作品とともにご覧いただき、いわば明治の絵画を通して当時の日本を旅していただこうという企画です。

版画にみる四都(京・阪・神・東)の風景  一川西 英を中心に一

川西英《滞船》1960年
川西英《滞船》1960年

3階の企画展「発見された日本の風景」にちなみ、当館が所蔵する風景をモティーフとした版画作品をご紹介いたします。企画展では明治の日本ですが、ここでは、大正・昭和の日本、なかでも、当館地元の京阪神と、東京をモティーフとした作品を集めてみました。
 京都と大阪をモティーフとしたコーナーで作品を紹介している石版画家の織田一磨(1882~1956)は、山本鼎、戸張孤雁、寺崎武男と共に、「自画・自刻・自摺」を標榜した日本創作版画協会を設立した発起人の1人でもありました。

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