考古用語辞典 A-Words

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双魚文四花形杯・双鴻双魚文荷葉形托 2009年1月30日更新

双魚文四花形杯・双鴻双魚文荷葉形托
【和:そうぎょもんしかがたはい・そうこうそうぎょもんかようがたたく
【中:Shuang yu wen si hua xing bei・shuang hong shuang yu wen he yue xing tuo
隋・唐・五代|金銀・玉器|>双魚文四花形杯・双鴻双魚文荷葉形托

一九九一年 河南省洛陽市伊川杜溝村唐斉国太夫人墓出土
銀、鍛造・鍍金
通高4.0 <杯>高3.5、長径14.0、短径8.0 〈托〉高0.5、径20.0
唐 九世紀
河南・洛陽博物館
楕円形の四箇所に刳り込みが入った四花形の杯と、蓮の葉(荷葉)形に成形された托との一具である。杯と托の組み合わせは、中国では古くからあるが、このように意匠が凝らされた一具は、唐時代(六一八~九〇七年)後半以降に、よく見られるようになる。
杯は、内底に、波文を地として双魚文が打出され、その周と口線に花弁文が刻出される。杯の文様にしばしば魚文が採用されるのは、杯中に、洒や茶といった液体を満たした時、その底に魚文が見え隠れし、あたかも水中の魚を愛でるかのような趣向となるのが、とりわけ好まれたためであろう。表裏の前面に鍍金がほどこされ、いまも輝きを放っている。楕円形の高台は、底裏に溶接されたものである。
托は、内広の突帯の中に麻の葉風の文様を線刻し、突帯周囲の斜面に、魚々子を地として、四方の流雲文の間に双鴻文を四細刻み出す。また、縁の上面にも四組の双魚文を打出している。こちらは文様部分にのみ鍍金がのせられ、鳥魚の姿が際立って見える。底裏には溶接痕があり、元来、高台を備えていたことがわかる。
杯・托とも、唐時代晩期の作風を示すが、この時期の銀器の作例の中では、形姿がよく整い、鏨使いも精密で、非常に良質の出来映えをみせる。 一具の完好の遺例としても注目に値しよう。出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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