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白磁劃花蓮花文輪花鉢 2009年5月20日更新
【和:はくじかっかれんかもんりんかはち】 |
【中:Bai ci hua hua lian wen lun hua bo】 |
宋・遼・金・元|陶磁器|>白磁劃花蓮花文輪花鉢 |
北宋時代(11~12世紀)
定窯
高11.1cm 口径26.5cm
底が広く、胴がゆったりとふくらんだ大ぶりの鉢で、胴の八カ所を縦の筋でへこませて瓜形にし、口縁にも小さく刻みをいれて花形に作ってある。素地は純白にちかいねっとりした白磁質の素地、全体に透明釉がやや薄くかかっているが、口縁だけ釉を削りとってあり、覆せ焼きにしたことが確かである。釉は酸化気味で黄みをおびてみえる。内面中央に折枝風の蓮花文、その周囲の立上りの部分に唐草風の蓮花文が彫りつけられており、外側にも蓮花文唐草文がのびやかに彫りつけてある。高台は大きく、ごく低い。
釉調・作風から、典型的な定窯の白磁といえ、しかもなかなかの優作で、保存状態も完好である。もと加賀前田家に伝来したもの、茶具の水指に仕立てられている。この鉢に似た劃花文のある定窯白磁片が、福井県一乗谷の朝倉氏館跡から出土していることや、14世紀の五山の僧侶の詩文に「定州瓷」などの名がみられることから考えると、この種の定窯白磁は15世紀頃には日本に運ばれ、大切に扱われてきた可能性がある。
なおこの鉢に似かよった八花形の白磁鉢が、河北省通県の1177年の金代古墓から出土しそことが知られている。しかしその細部を比較してみると、出土の鉢は器形。文様ともこれにくらべて簡略化。形式化がいちじるしく、同一時期のものとは考えられない。したがってこの鉢はむしろ12世紀前半か、それ以前の作品とみられるのである。 出所:中国陶磁器展1992静嘉堂文庫美術館
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