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青磁香炉 2009年5月21日更新
南宋時代(12-13世紀)
南宋官窯
高13.5cm 口径16.7cm
三足のついた、いわゆる鼎形の香炉で、胴が袋状にゆったりとふくらみ、左右に小さい耳がつき、 口縁は僅かに外にひらいている。古銅器の鼎をまねたものであることが、胴上部や足の小さい突起によってうかがえる。
全面にわたって淡青色の青磁釉が厚くかかっており、釉面には大小不規則な貫入がいちめんにあらわれている。耳や口部の仕上げは非常に丁寧で、それによって全体がすっきりとしたものになっている。貫入は褐色の荒い貫入と、白く光るこまかい貫入からなっており、深みのある釉調に変化を与え、その美しさを助長している。この香炉とそっくりの釉調・作風の青磁の破片が、浙江省杭州市の南宋官窯窯址、いわゆる郊壇窯窯址から採集されているので、これは古来名高い南宋官窯の基準作といってよいものである。窯址出土の青磁片には、古銅器をまねた祭器風のうつわが多く、 これもその例であるが、もちろん銅器のような硬さや圧倒するような強さはなく、陶磁器特有のやわらかみと、玉をみるような深みのある肌合が眼を楽しませる。これはまさに青磁の美しさの極致であろう。底裏に赭褐色の小さな目跡がほぼ円形に残っており、これは北宋官窯かとされている、いわゆる汝官窯青磁の手法に似ていて、注目される。類品が北京の故宮博物院に1点ある。出所:中国陶磁器展1992静嘉堂文庫美術館
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