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青磁盤 2009年5月21日更新
元時代(14世紀)
龍泉窯
高9.7cm 径55.8cm
器体側面を十六弁に区画した、厚手の稜花盤である。元時代、龍泉窯はすでに他窯の追従を許さない、青磁の主要生産地であった。その制品の主たる供給先は、中東の富裕なイスラム諸国であり、 このような大型の器形もかの地の食生活に合わせて作られるようになったものであろう。 トルコのトプカプ宮殿には、盤・鉢を中心として1350点もの元一明時代の青磁が伝世しているが、そのうち、このような素文(無文)の作品はわずかしか存在していない。その青磁のほとんどは、貼花文や彫り文様で多様に装飾されている。景徳鎮窯の青花磁器の出現でも知られるように、陶磁器における加飾の気運は当時各地で高まってきており、それゆえ龍泉窯にあっても装飾的なものが多くつくられたものと思われる。
この盤は素文であるが、それゆえ稜花を縁取る凸帯が、周縁部に白く浮かび上がるさまなどが映えて美しい。またこの艶やかな萌黄色の釉調は、水や緑豊かな浙江省の自然を凝縮しているかのようなみずみずしい趣きである。底裏には低く厚い高台がつき、その内側に輪状の無釉部がある。 出所:中国陶磁器展1992静嘉堂文庫美術館
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