考古用語辞典 A-Words

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鐃 2010年3月6日更新

鐃

【和:どう
【中:Nao
殷・周時代|青銅器|>

青銅
高71、口472×38.3
1959年、湖南省寧郷市老糧倉出土
商時代・前13-前11世紀
Bronze Nao Gong
 正面と背面がほぼ逆台形、断面が杏仁形を呈する器身が、中空の太い柄に載る。器身の中央には形の崩れた饕餮文(獣面文)、その上にも小さな饕餮文、さらにその両側には外側を向いた虎文が配置されている。これらの文様は"龍虎尊"と同様、輪郭に丸い膨らみをもたせて立体的に表現している。中央の饕餮文の両目、およびその饕餮文の上下を渦文が飾る。文様の形や鋳上がりはやや粗雑である。しかし鈍重な巨体はみる者を圧倒し、そこから発する響きはさぞ荘厳であったことであろう。同じ古代中国の打楽器でも、鐘は懸架に吊るして口を下に向けたのに対し、饒は口を上に向けて用いた。古文献の記載によれば、鐃とは柄を持って打ち鳴らし、戦場における進退の合図を軍に送ったとある。 しかし長江中流域などの鐃は概して大ぶりで、高さが1メートルに迫るものもある。大型の鐃は山斜面や頂上の穴に埋めた状態で発見されることが多い。以上のことから、大型の鐃は柄を芯にさして立たせ、自然神を対象とする祭祀などに用いたと考えられる。 出所:『悠久の美-中国国家博物館名品展』
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