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慶山寺塔基遺跡 2009年1月26日更新

慶山寺塔基遺跡
【和:けいざんじとうきいせき
【中:Qing shan si ta qi yi ji
隋・唐・五代|建造物・遺跡・墓|>慶山寺塔基遺跡

唐 一九八五年五月、陝西省臨潼県新豊で、レンガ工場で使用する土を採集中に、地表下約六メートルの地点から塼築の部屋一基が発見され、その中から一二七件にのぼる様々な遺物が出土した。部屋の内部の入り口近くに置かれていた石碑の銘文から、ここが、唐の開元二九年(七四一)に再建された慶山寺塔下の、舎利の安置場所であることが判明した。
この地下室は、南側を入り口として南北方向に沿い、南道(通路、南北長約2.1メートル)と主宣(南北長約ニメートル、東西幅約1.5メートル)で構成され、床には青色の塼が敷き詰められていたという。また、主室の北、東、西の壁面には、浄土図とおぼしい五面の壁画が描かれていた。
主室の奥に、舎利宝帳が据えられ、その内部から、ガラス容器に入れられたうえ、さらに金属製の二重の外容器に納められて荘厳された舎利が発見された。伴出した金属器や陶磁器の類は、主室の宝帳の前方などに配置されていたもので、舎利を供養する目的で納められたと考えられる。
遺跡の規模はさほど大きくないものの、築造の経緯や、舎利をはじめとする各種の器物の埋納状況が明らかになったことなど、唐時代金(六一八~九〇七年)盛期における舎利信仰の具体相や美術工芸品の実態を知るうえで、きわめて重要な遺跡といえる。
慶山寺の創建年代は、隋時代(五八一~六一八年)頃のことと考えられ、当時は霊岩寺と号していたといわれる。唐時代になって、暴風雨によって塔などが崩壊し、そのまま放置されていたのを、開元二五年(七三七)から同二九年にかけて再建しことが、上記の石碑の内容から確かめられる。その後、会昌五年(八四五)の廃仏の際に大きな被害をこうむり、成通五年(八六四)の修復後は、鷲嶺寺、持国寺などと号したが、高宋時代(1127~1279年)以降、衰退していったもようである。出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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