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唐詩断簡(絹地切) 2009年3月14日更新
【和:とうしだんかん・きぬじぎれ】 |
【中:Tang shi duan jian】 |
彫刻・書画|>唐詩断簡(絹地切) |
小野道風筆
一幅
絹本墨書
縦二六・一 横三六・八
平安時代・十世紀
東京国立博物館(広田松繁氏寄贈)
もとは、平絹の巻物に書かれたものである。一首目は、『全唐詩話』巻三や『全唐詩』巻四百六十三にも所収する鄭拠の七言詩である。次の「衛尉卿致仕憑翊吉」は吉皎の伝歴の一部である。揮毫するに際しての典拠が何であったか不明ながら、絹地に書かれた調度手本として伝世したものの断簡である。
伝世の間に絹が傷んで、文字の点画が失われ、補筆した部分が散見する。このため、筆意が貫通せず、一部に精彩を欠く所もみられる。内箱の墨書に「行成卿 絹地切 東洛優閑日」と藤旅行成(九七二~一〇二七)筆と伝えているが、王羲之(三〇三~三六一)書法を根底としながら、豊潤で柔軟な筆線で揮毫されており、小野道風(八九四~九六六)の自筆であったと推定される。日本橋の古美術商壷中居を創立した広田松繁氏(一八九七~一九七三)の遺愛の品で、一文字・風帯に紫地蓮唐草文様金襴、中廻には薄茶地一重蔓牡丹唐草文様銀襴、上下は縹地花卉文金襴を用いており、その愛好ぶりがうかがえる。生前に東京国立博物館に寄贈された。
出所:書の至宝-日本と中国2006
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